【雪国に朗報】よる寝ている間に自動除雪の時代、すぐそこに? 5G(第五世代通信)がキー

公開 : 2020.01.31 10:56  更新 : 2021.10.09 23:54

5Gでなにかできるのか?

5Gを使うと、除雪作業がどうやって楽になるのだろうか?

5Gは、現在利用されている4G(LTE)と比べて、データ通信が高速かつ大容量で可能になる。

さらに、大きな特徴がデータ送受信で時間の遅延が少ないという点だ。

自動車など高速で移動する乗り物でのデータの送受信に適しているため、最近では自動運転の話になると、5Gが取り上げされることが多い。

NTTドコモでは、ラグビーワールドカップ開催時の2019年9月から、5Gのプレサービスを開始。2020年春から商業サービスを始めて、7月の東京オリンピック・パラリンピックを通じて利用を拡大させる予定だ。

では、今回の永平寺町での実証試験で、何を行ったのか?

まず、除雪車に搭載したカメラ映像を通じて、リアルタイムで道路状況を把握した。その映像をもとに、360°映像とVR(バーチャルリアリティ)を利用して、遠隔で運転の指導を行った。

運転者は若手職員で、ベテランが状況に応じて操作方法を指示する。

「例えば、マンホールを跳ね飛ばしてしまったり、車止めやコンクリート塀を壊してしまうなど、町の状況を詳しく知らないと、除雪は難しい」(ベテラン職員)。

今後は、こうした除雪に関する情報をデータベース化することで、さらに効率的な除雪が可能となる。

町民は自宅の近所の状況をリアルタイムで知りたい

効率的な除雪作業が、さらに一歩進めば、日夜を問わず無人の自動運転での除雪が可能となる。

実は、永平寺町では国のプロジェクトとして、自動運転の実用試験を行っていて、2019年には6か月間の長期実証を成功させた。

2020年中には、有料サービスとして実用化する。

こうした自動運転技術と5Gによる除雪効率化の技術が、将来的に融合すること期待されている。自動運転除雪については、北欧などで検討されているが、実用化の目途はたっていない。

自動運転除雪という大きな目標とは別に、いますぐにでも永平寺の町民に求められているのが、自宅周辺の除雪状況をリアルタイムで知ることだ。

今回の実証でも、試験的なデータを使って地図上での表示を行ったが、こうした町民向けサービスのハードルは比較的低い。

永平寺町で始まった、5Gを使った効率的な除雪作業。日本だけではなく、世界各国の降雪地域の住民が大きな期待をかけている。

記事に関わった人々

  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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