【伝説のミウラがアルプスへ】ランボルギーニ・ミウラP400 ミニミニ大作戦 後編

公開 : 2020.02.16 16:50  更新 : 2020.12.08 10:55

宇宙船のようなインパクトがあった

このスタイリングがディレクターの目に止まり、ミウラの映画出演が即決したと聞いても、当然のことに思える。モルッツィはサイドラインに魅了されているという。

「1960年から1970年にかけて映画に登場するランボルギーニを運転しているのは、わたしです。俳優のラフ・ヴァローネやロッサノ・ブラッツィとも友人になりました。アオスタでは、同じホテルに泊まっていたので。映画にも登場したということで、出演料ももらいました」

ランボルギーニ・ミウラP400
ランボルギーニ・ミウラP400

「男性が愛人へミウラをプレゼントするという、別の映画もありますが、愛人役はマリアンジェラ・メラートでした。彼女は運転ができなかったので、わたしが金髪のかつらとドレスを着て、ローマの街を運転したんです」

「ランボルギーニは沢山の映画に出演してきました。ミウラやエスパーダなど、とても楽しい思い出です」

映画、「ミニミニ大作戦」は、ミニが活躍するアドベンチャーであることには間違いない。だが、多くの人にとって、オープニングシーンのインパクトの影響は大きかった。50年前は、ランボルギーニ自体を見るのが初めてだったのだから。

英国の放送作家、トロイ・ケネディ・マーティンが記した脚本をもとにした映画で、ランボルギーニ・ミウラが選ばれたのも納得。シルバーの、イソ・リヴォルタ・グリフォでは不十分だったのだろう。

1960年なら、ミウラはスーパーカーというより、空飛ぶ円盤のようにすら見えたかもしれない。50年たった今でも、充分にその面影を感じ取ることができる。

番外編:伝説マシンのレストア

「ミニミニ大作戦」に登場したランボルギーニ・ミウラP400の行方は、長年謎のままだった。しかし、レッドブル・ザウバー・ペトロナスF1チームの元会長、フリッツ・カイザーがこのミウラのオーナーとなったことで、歴史が明らかとなった。

「わたしは1950年代と1960年代のアイコン的スポーツカーを集めています。コレクションの最初に手に入れたのはチシタリア202でしたが、最終的にはランボルギーニ・ミウラを手に入れたかったのです」

ランボルギーニ・ミウラP400のレストア作業
ランボルギーニ・ミウラP400のレストア作業

「4年ほど前にクルマを探し始め、20台から25台ほどを見てきましたが、歴史的に重要な意味を持つモデルが欲しいと感じました。そこで見つけたのがこれです。ディーラーは、ミニミニ大作戦に登場するクルマだと話していましたが、確証はありませんでした」

「自信を持ってミウラを購入するために、経歴の調査を初めましたが、判明まで1年も掛かるとは思っていませんでした。アントニオ・ギーニと、コラード・ロプレストの2人がキーとなる人物でしたね」

「アントニオは、初めににエンツォ・モルッツィを紹介してくれました。彼はランボルギーニ・ポロストリコが所有するアーカイブと、このミウラとが一致する証言をしてくれたのです」

「黒いシートは常に議論の中心でした。シートはもとに戻したと、モルッツィのメモには残っていたのです。そして当時、この仕様で生産ラインを出た唯一のミウラだった、というわけです」

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