【似て非なる仕上がり】トヨタ・ヤリスとホンダ・フィット キャラクターに大きな違い

公開 : 2020.03.05 18:50  更新 : 2021.10.13 13:54

トヨタ・ヤリスとホンダ・フィット。おなじ時期に発表されただけに、ひとくくりの扱いにされがちですが、パワーやカタログ燃費といった目に見える部分のほか、根底に流れるキャラクターにも違いがあります。

ひとくくりにされがち ヤリスとフィット

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)

2月に入って立て続けにフルモデルチェンジを果たしたトヨタヤリスホンダフィット

ヤリスはすでに多くの方がご存知の通りヴィッツの後継車であり、初代から海外で使用されていたヤリスという名前に日本仕様も統一されたもの。

ホンダフィット(上)とトヨタ・ヤリス(下)
ホンダフィット(上)とトヨタ・ヤリス(下)

つまり海外の初代ヤリスから数えると4世代目のモデルということになる。

そしてヤリスに数日遅れで登場した新型フィットも奇しくも4世代目となるモデル。

当初は昨年10月に発売する予定だったのだが、電動パーキングブレーキの不具合が判明して発売を延期することとなり、結果的にヤリスと同時期のデビューとなったというのが真相である。

とはいえどちらも世界戦略車のコンパクトハッチバックであり、価格帯も近く、どちらもガソリンエンジンとハイブリッドを用意するなど共通点は多い2車。

それだけにひとくくりにされてしまいがちなのは仕方のないところとも言えるのだが、実はじっくり両車を比較してみるとかなり似て非なる仕上がりになっていることに気づかされる。

それもパワーやカタログ燃費といった目に見える部分だけではなく、根底に流れるキャラクターにも違いがあるように思えるのだ。

次項からは筆者が感じたその違いをお伝えする。

WRC参戦車ベースのオーラを持つヤリス

先代モデルから世界ラリー選手権(WRC)で戦うラリーカーのベースともなっているヤリス。

新型ではそのホモロゲーションモデルであるGRヤリスも用意され、東京オートサロン2020で初披露されている。

トヨタGRヤリス
トヨタGRヤリス

ベーシックな5ドアとはそもそもボディ形状から異なる(GRヤリスは3ドア)が、その根底に流れる血は共通。

従来型で開催されていたワンメイクレースは5ドアモデルで継続開催されるので、モータースポーツの入門車という側面も持ち合わせていることは間違いない。

先代ではRSやGRといったスポーツグレードにのみの設定だったマニュアルトランスミッションも、新型では1.5Lガソリンエンジン車全グレードに用意されているのは3ペダル派には朗報と言えるだろう。

プラットフォームはトヨタのコンパクトカークラスとしては初めてTNGAを採用。軽量かつ高剛性、低重心なボディとなり、乗り心地だけではなく運動性能も大幅に向上。

トヨタいわく「軽快」かつ「Confident & Natural(運転中も車両が安定していて安心&ドライバーの意図通りに反応して自然)」な、クラスを超越した走りを実現している。

1.5Lエンジンは新世代のものとなり、ハイブリッドモデルに至ってはWLTCモード燃費で36.0km/L(HYBRID X)という驚異的な数値を実現している。

従来のトヨタ車は「80点主義」と揶揄されることもあったが、今回のヤリスは120点を目指したモデルと言えるかもしれない。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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