【なぜ?】トヨタ・ヤリス・クロスとハリアー、話題性に大差 「ねらい」に大きな違い

公開 : 2020.05.01 05:50  更新 : 2021.02.02 10:28

ヤリス・クロス 「クロス」の意味

ヤリス・クロスの「クロス」とは、クロスオーバーを指す。

クロスオーバーに定義はなく、一般ユーザーが持つイメージは「クーペっぽいSUV」だ。

トヨタGRヤリス(白)/トヨタ・ヤリス(赤)/トヨタ・ヤリス・クロス(金)
トヨタGRヤリス(白)/トヨタ・ヤリス(赤)/トヨタ・ヤリス・クロス(金)

90年代にアメリカで高まったSUVブームの中で、多モデル化の一環としてクロスオーバーモデルが日米欧韓メーカーから続々と出現した。

そうしたアメリカ市場向けクロスオーバーは、ピックアップトラックなどのラダーフレームではなく、セダン乗用車のプラットフォームを共有化した。

ただし、デザインはセダン乗用車とは全く違うイメージとなる。

一方、欧州系のクロスオーバーは、B/Cセグメントなどの小型車の車高や最低地上高を上げたようなデザインを用いるケースが目立つ。

つまり、欧州のユーザーにとってのクロスオーバーは、大衆向けB/Cセグメントモデルの派生車であることを実感することがブランドへの信頼と安心感が増すのだと思う。

その筆頭が、ミニ・クロスオーバー(欧州名:カントリーマン)。正直なところ、筆者(桃田健史)は2008年のパリモーターショーで実車の見た際、「BMWはここまでMINIブランドを徹底的に変えてしまうのか……。これを市場が本当に受け入れるのか?」と疑念を持った。

だが、2019年に長期間、テスト試乗して改めて、欧州クロスオーバーの価値を実感している。

では、日本でヤリス・クロスは売れるのか?

ニッチ市場も逃さずフルラインナップ

ヤリス・クロスの売れ行きを予測する上で、参考となるのがホンダフィットのクロスーバーである「クロスター」の動向だ。

日本での販売開始から約1か月後となる2020年3月16日、ホンダが発表したフィットの受注状況を見ると、5つのグレードの販売割合は、「ホーム」47%、「ベーシック」19%、「クロスター」14%、「ラグジュ」14%、そして「ネス」6%となった。

ホンダ・フィット・クロスター
ホンダ・フィット・クロスター

売れ筋のホームに比べて、クロスターはガソリン車、ハイブリッド車それぞれで約20万円高いことを鑑みると、かなり善戦していると思う。

となると、ヤリス・クロスもヤリス全数の10数%が狙えることが想定されるが、そうなるだろうか?

ヤリス発売から1年遅れという販売時期は影響しないか?

もう1つ気になるのは、ホンダに比べて圧倒的に充実しているトヨタ・ダイハツの小型SUVラインナップの中での、ヤリス・クロスの立ち位置だ。

上に「RAV4」と「C-HR」、下に「ライズ」「ロッキー」、さらに「タフト」という布陣の中で、ヤリス・クロスはニッチな存在に見える。

そうしたニッチ市場も逃がさないのが、トヨタ商法だともいえる。

日本でヤリス・クロス、はたしてどのくらい売れるのだろうか?

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