歴史を変えたV8、象徴的なフラットシックスなど 市販車に搭載された最高峰のエンジン 50選(前編)

公開 : 2026.02.28 11:05

名車と呼ばれるようなクルマには、優れたエンジンが積まれてきました。エンジンは走行性能、燃費、快適性などを決定づける重要な要素です。本特集ではこれまで市販車に搭載された素晴らしいパワーユニットを50台紹介します。

自動車史に残したい最高の名機

本特集では、市販車に搭載された最高のエンジンを50台紹介したい。

もちろん「最高」という言葉の定義は曖昧だ。最大、最強、最も刺激的、クルマと最も関係性が深い、あるいはそれらの組み合わせもあり得る。今回の選考基準は、非常に多くのクルマに搭載されているか、もしくは人々の心を強く揺さぶるものとした。理想的には両方を兼ね備えていることが望ましい。

名機と呼ばれるような市販車用エンジンを50台紹介する。
名機と呼ばれるような市販車用エンジンを50台紹介する。

倍の数のエンジンを取り上げてもいいが、誌面の都合上、50台に絞らざるを得なかったことをご了承いただきたい。

フォード・フラットヘッドV8(1932年)

1920年代、一般的な乗用車の最高速度は65km/hに届くのがやっとだった。そこにフォードがフラットヘッドV8を導入すると、突然、多くの人々が100km/hで走れるクルマを手に入れられるようになった。フラットヘッドV8は低燃費とは言えないが、シンプルで頑丈、そして信頼性が高かった。そのためフォード車では1954年まで使用され、驚くべきことに、シムカの軍用トラックでは1990年代まで使われていた。これはヘンリー・フォード(写真)が最後に残した大きな技術的貢献だった。

フォード・フラットヘッドV8(1932年)
フォード・フラットヘッドV8(1932年)

フォルクスワーゲン 水平対向4気筒(1936年)

ビートルは史上最も売れたクルマの1つだが、そのすべてが空冷式水平対向4気筒エンジンを搭載している。当初の排気量は1131ccだったが、最終型が生産される頃には1584ccまで拡大。ただし、タイプ4では最大2.0Lまで用意されていた。同じエンジンはタイプ2やトランスポーターにも搭載され、ポルシェ356のパワートレインのベースにもなっている。

フォルクスワーゲン 水平対向4気筒(1936年)
フォルクスワーゲン 水平対向4気筒(1936年)

フェラーリ・コロンボV12(1947年)

2.0L直列4気筒エンジンが主流の時代に、1.5Lで12気筒という発想は狂気の沙汰に思えたかもしれない。だが、それがフェラーリ初期のエンジンの仕様だった。125には1497ccで116psのユニットが搭載された。コロンボ設計のV12が1989年に412iと生産終了となる頃には、排気量は4.9Lに拡大し、出力は318psまで跳ね上がっていた。その過程で250、275、そしてデイトナとして知られる365 GTB/4など、数々のモデルが誕生したのだ。

フェラーリ・コロンボV12(1947年)
フェラーリ・コロンボV12(1947年)

シトロエン 水平対向2気筒(1948年)

シトロエン2CVが画期的なクルマであったことは疑いようがない。その魅力の1つは、車体前部に搭載された空冷水平対向2気筒エンジンにある。当初は375ccで登場し、後に425cc、 435cc、そして最終的には602ccへと排気量を拡大した。このエンジンは、アミ、ヴィザ、メアリ、ディアーヌ、ビジュー、アカディアーヌにも搭載されている。

シトロエン 水平対向2気筒(1948年)
シトロエン 水平対向2気筒(1948年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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