【フレンチブルーのアルファ】アルファ・ロメオ8Cモンツァの栄光 後編

公開 : 2020.07.25 16:50  更新 : 2020.12.08 08:33

素晴らしい歴史を称えるフレンチブルー

本来の8Cモンツァのボディを取り戻し、エンジンもリビルト。ギディングスはサーキットを走らせ、アメリカのヒストリックレースを楽しんだ。

1981年、オーナーは日本人のコレクターへ変わる。マカオ・グランプリのサポートとして開かれたヒストリックカー・レースへ参戦し、優勝。幅の狭い通りに、見事な直列8気筒サウンドを響かせた。

アルファ・ロメオ8Cモンツァ(1933年)
アルファ・ロメオ8Cモンツァ(1933年)

1985年には、アルファ・ロメオをテーマとしたイベントへも出場。8CモンツァとティーポBを、ラグナ・セカで走らせた。続くペブルビーチ・コンクール・デレガンスにも出展している。

1980年代後半になると、8Cモンツァは欧州へと戻った。当初ドイツへ上陸するが、英国人のピーター・ノイマークがオーナーとなり、ナンバーを取得した。

「とても素晴らしいクルマで、運転する喜びがあります。ミッレ・ミリアへ出場したときは、夜に電気的な故障でストップ。翌朝、地元のガレージの方が見事に修理してくれ、シエナから再び走ることができました」 と振り返る現オーナーのノイマーク。

それから24年間、フィリップ・エトンスランの8Cモンツァはさまざまなイベントへ姿を見せている。モナコやスパ・フランコルシャン、ニュルブルクリンク、ビンテージ・スポーツカークラブのイベントにも。

彼はまた、赤いボディをフレンチブルーに塗り直すという、一大決心もした。グランプリを戦った、フィリップ・エトンスランの時のように。

シャシー番号は2211097のアルファ・ロメオ8Cモンツァは、正真正銘、当時の姿を取り戻した。素晴らしい歴史を称える、最高のボディカラーだと思う。

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