レストアする楽しみ方もアリ トライアンフGT6【UK中古車ガイド】(2) リフトで確かめたいシャシー 正解は優れた一体感

公開 : 2026.06.26 18:10

既存技術の融合で生まれた究極的進化系が、トライアンフGT6。滑らかな直6エンジンに独立懸架サスで、優れた走行性能を叶えていました。ミケロッティの美麗ボディも魅力。UK編集部が中古車で振り返ります。

リフトアップで確認したいシャシーの状態

登場から60年が過ぎた、トライアンフGT6。購入候補が見つかったら、リフトアップを頼んでシャシーの状態を入念に確認したい。殆どの例は、補修を受けているはず。

スチール製バックボーンシャシーとボディは独立構造で、サビは発見しやすい。前オーナーによる、理想的とはいえない修理も見つけやすい。ボディが、シャシーへ溶接されてしまっている場合もある。

トライアンフGT6(Mk3/1970〜1974年/英国仕様)
トライアンフGT6(Mk3/1970〜1974年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

長年に渡って取引価格が低迷し、GT6は部品取り車になることも多かった。オリジナル状態へ戻すことは簡単ではなく、最初から好条件の個体を探す方がベター。メカニズムはシンプルで、点検・整備はしやすい。

6気筒エンジンは鋳鉄製ヘッド。無鉛ガソリンで高負荷をかけると、バルブシートの劣化が進む。無鉛ガソリンを前提に、強化バルブシートへ交換されている例は珍しくない。

カーブで優れた一体感を得られるのが正解

試乗が可能なら、ある程度飛ばして印象を確かめたい。ボディには一定の締りがあり、カーブでは優れた一体感を得られるのが正解。足回りの劣化が進んでいたり、部分的な補修を受けた例では、不安定に感じられるはず。異音にも聞き耳を立てたい。

リアアクスルのギア比は、オーバードライブ付きの初期型で3.89。なしなら3.27だった。Mk2では共通で3.27。これは、同時代としては高めの設定で、トップギアでの燃費に貢献した。ギア比が変更された例も珍しくないが、望ましい状態だとは限らない。

トライアンフGT6(Mk3/1970〜1974年/英国仕様)
トライアンフGT6(Mk3/1970〜1974年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

ホイールの幅は、シリーズを通して4.5Jだった。ワイヤーホイールはオプションで、Mk1とMk2はセンターノック式、Mk3はハブボルト式。幅の太い、大径ホイールへ交換されたGT6も多いが、サスペンションの負荷が増え劣化を早めてしまう。

また太いタイヤを履く場合、古くなり硬化すると不意のテールスライドを招くことも。Mk1では特に、挙動がトリッキーになりがち。

購入時に気をつけたいポイント

ボディとシャシー

シャシーでは、サスペンション周辺やアウトリガー、リアデフ付近が錆びがち。ボディでは、サイドシルと前後のバランスパネル、ホイールアーチ、バルクヘッド、バッテリートレイ、テールゲートの縁、フロア部分などのサビ具合を観察したい。

エンジン

GT6の直列6気筒エンジンは目立った弱点がなく、必要に応じてアップグレード可能。初めにエンジン番号を確認し、年式と正しいか調べたい。Mk1はKCで始まり、Mk2はKCの50001番以降、Mk3はKEで始まる。

トライアンフGT6(Mk3/1970〜1974年/英国仕様)
トライアンフGT6(Mk3/1970〜1974年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

回転が安定しているか、異音がないか、試乗で丁寧に確認する。オイルやクーラントの漏れと、オーバーヒートの過去もチェックポイント。

トランスミッションとドライブシャフト

1速や2速のシンクロメッシュが劣化していないか、試乗で確かめる。内部シャフトのノイズや、リアデフとドライブシャフトからの異常振動がないかも確認したい。

ステアリングとサスペンション

ステアリングラックの劣化具合や、操舵時の正確性を確かめたい。各部への注油は不可欠。ステアリングが重い場合は、不具合を抱えていると考えて良い。

Mk2やMk3に採用された、ドーナツ状のロトフレックス・カップリングはGT6のベスト仕様。サスペンションも定期的な注油が必要で、怠るとリンクの破損へつながる。

インテリア

バケットシートは、年式が新しくなるほど改良されている。Mk3では、センター部分がナイロン製だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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