【1990年代を沸かせた和製スポーツ】スープラにGTO、フェアレディZ 後編

公開 : 2020.08.09 16:50  更新 : 2021.01.28 18:01

Z32は掘り出し物のクラシックスポーツ

ジェームズ・ジョーンズが所有する三菱3000GTは、最高の状態を保っている。荷室も広く、ツアー・モード付きのアクティブ・ダンパーも備わる。高速巡航向きの長いギア比が与えられ、日常的な利用にも週末のロングドライブにもぴったりだ。

スポーツカーとして最高とは呼べなくても、素晴らしいグランドツアラーにはなる。リアシートは付いていても、大人4人は乗れない。それを理解すれば、輝きが増して見える。

日産300ZX(Z32型フェアレディZ/1989年〜2000年)
日産300ZX(Z32型フェアレディZ/1989年〜2000年)

近年、一番高い評価を与えられているのがトヨタスープラ。別次元といえるほど。より力強く、遊び心に溢れ、ドライバーにフォーカスされている。過熱気味な取り引きで、状態の良いMT車なら英国では3万ポンド(402万円)以上が付く。

この両方を避けているのが、フェアレディZ。新車時は沢山の称賛を集めたZ32だったが、モデルチェンジとともに忘れられたモデルでもある。キレ良いハンドリングに情感豊かなV6エンジンを搭載し、秀でたバランスの走りが楽しめる。

今回の3台なら、筆者はZ32を選ぶ。1991年のAUTOCARでは、次のように褒め称えた。「熱いドライビングを掻き立てられる、オールドスクールでパワフルな、傑出したスポーツカー」

英国で探せば、状態の良いツインターボのMT車が、1万5000ポンド(201万円)程度で見つかる。掘り出し物といえるクラシックスポーツは、最近数が減ってきている。Z32型の日産フェアレディZ、300ZXは、われわれに残された希望の1台だといえるだろう。

日産300ZX、三菱3000GT、トヨタ・スープラのスペック

日産300ZX(Z32型フェアレディZ/1989年〜2000年)のスペック

価格:新車時 3万4500ポンド/現在 1万5000ポンド(201万円)前後
生産台数:16万4170台
全長:4525mm
全幅:1800mm
全高:1255mm
最高速度:249km/h
0-97km/h加速:5.6秒
燃費:6.0km/L
CO2排出量:−
乾燥重量:1579kg
パワートレイン:V型6気筒2960ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:280ps/6400rpm
最大トルク:37.8kg-m/3600rpm
ギアボックス:5速マニュアル

三菱3000GT(GTO/1990年〜1999年)のスペック

価格:新車時 3万5500ポンド/現在 1万ポンド(134万円)前後
生産台数:8万6151台
全長:4560mm
全幅:1840mm
全高:1282mm
最高速度:246km/h
0-97km/h加速:5.8秒
燃費:6.0km/L
CO2排出量:−
乾燥重量:1810kg
パワートレイン:V型6気筒2972ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:286ps/6000rpm
最大トルク:41.4kg-m/3000rpm
ギアボックス:5速マニュアル/6速マニュアル

トヨタ・スープラ(A80型/1992年〜2002年)のスペック

日産300ZX(Z32型フェアレディZ)/三菱3000GT(GTO)/トヨタ・スープラ(A80型)
日産300ZX(Z32型フェアレディZ)/三菱3000GT(GTO)/トヨタ・スープラ(A80型)

価格:新車時 3万7500ポンド/現在 3万5000ポンド(469万円)前後
生産台数:4万5230台
全長:4515mm
全幅:1811mm
全高:1265mm
最高速度:251km/h
0-97km/h加速:5.1秒
燃費:6.6km/L
CO2排出量:−
乾燥重量:1549kg
パワートレイン:直列6気筒2997ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:330ps/5600rpm
最大トルク:44.8kg-m/4800rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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