【意外な共通点】シルビアやソアラ 国産ネオクラシック人気車 1980〜90年代 国内市場の大変化が背景

公開 : 2020.09.10 10:40  更新 : 2021.10.22 10:14

ネオクラとして人気の車種 共通点が

日本車のネオクラ。人気車種には、1980年代から1990年代に製造された2/ドア3ドアクーペや上級セダンが多い。

1970年代は厳しい排出ガス規制によって日本車は出力低下を余儀なくされ、この痛手から脱したのが1980年代になる。

トヨタ・ソアラ(1989年)
トヨタソアラ(1989年)    トヨタ

そこから1990年代の中盤までが、日本車の最も多く売れた輝ける時代だ。

この時代に生産されたネオクラの注目車は、主に以下の通りだ。

・トヨタAE86型カローラレビン&スプリンタートレノ(1983年)
・トヨタ初代スープラ(1986年)
日産2代目レパード(1986年)
・日産Y31型セドリック&グロリア(1987年)
・日産S13型5代目シルビア(1988年)
・日産初代シーマ(1988年)
・トヨタ初代セルシオ(1989年)
・日産R32型8代目スカイライン&同GT-R(1989年)
・日産Z32型4代目フェアレディZ(1989年)
ホンダ初代NSX(1990年)
マツダ3代目RX-7(1991年)
・トヨタ2代目スープラ(1993年)
・ホンダ6代目シビック・タイプR(1997年)
・トヨタ・アルテッツァ(1998年)など。

上記車種の全般的な特徴として、今のクルマに比べるとホイールベース(前輪と後輪の間隔)が短く、ボディがホイールから前後に張り出したオーバーハングは長い。

現行スープラは回頭性を向上させる目的でホイールベースを2470mmに抑えたから、全長の4380mmに占める割合は56%だ。

この比率は初代スープラ(全長:4620mm・ホイールベース:2595mm)、2代目スープラ(4520mm・2550mm)とピッタリ合致する。

つまりネオクラのボディサイズには、トレッド(左右のホイールの間隔)はまったく異なるものの、走りの機敏なスポーティカーに通じる必然性があった。

今と違い国内市場を大切に考えた時代

今のネオクラは、いずれの車種も新車として売られた時代から相応に高い人気を得ていた。

極端にマイナーだった車種は記憶に残りにくく、ネオクラとしても人気を集めにくい。

日産セドリックシーマ・タイプIIリミテッド(1988年)
日産セドリックシーマ・タイプIIリミテッド(1988年)    日産

そしてネオクラには3ナンバー車も見られるが、1980年代に製造された車両は5ナンバー車が中心だ。

メーカー別に見ると、日産が目立つことも特徴だろう。

シルビアやスカイラインから、セドリック&グロリア、シーマまで、カッコ良くて走りの楽しいクルマが多かった。

見方を変えると、ネオクラが人気を高めた背景には、今の日本車メーカーに対する不満もあるだろう。

今のネオクラが開発された時代は、日本車の約50%が日本国内で売られていた。

走行性能や内外装は、海外のクルマに負けないように進化させる一方で、ボディのサイズやデザインは、日本のユーザーに受け入れられることを考えて開発されていた。

その結果、海外/国内指向が適度なバランスで調和して、記憶に残る優れた商品を生み出した。

ところが今の大半の日本車メーカーは、世界生産台数の80%以上を海外で売る。

日本は20%以下の市場として軽く扱われ、日本車が日本のユーザーから離れてしまった。この反動がネオクラ人気ともいえるだろう。

本当は悲しむべきトレンドなのかも知れない。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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