【レクサス初の純EV SUV登場】レクサスUX 300eへ試乗 航続距離は315km

公開 : 2020.10.23 10:20

ハイブリッド技術を牽引してきた、トヨタ。ついにその上位ブランドから、純EV版のSUVが登場します。航続距離は315kmとライバルより劣るものの、装備や信頼性などで訴求力があるとする英国編集部。一般道で評価しました。

ハイブリッドのパイオニアから純EV登場

text:Neil Winn(ニール・ウィン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ラグジュアリーなSUVに、ハイブリッドを搭載したレクサスRX 400hが欧州で発売されたのは2004年。時代を先取りした、革新的なモデルだった。そんなレクサスから純EVのSUV、UX300eが登場した。

人気のSUVというカテゴリーでも、純EVは増えつつある。プジョーe−2008やDS3クロスバック E-テンス、ボルボXC40 リチャージのほか、韓国勢のキアeニロやヒュンダイ・コナ・エレクトリックといったモデルがすでにある。

レクサスUX 300e タクミ(欧州仕様)
レクサスUX 300e タクミ(欧州仕様)

英国価格は4万3900ポンド(592万円)からで、トップグレードのタクミ・パッケージを選ぶと5万3500ポンド(722万円)へ上昇。直接的なライバルは、テスラモデル3ポールスター2といった辺りだろう。

電動化技術でパイオニア的な存在のレクサスとしては、用心深い発売時期に思える。ただし、プレミアム・ブランドのコンパクト・クロスオーバーとしては、唯一のモデルだとレクサスは主張する。

UX300eの航続距離は、315km。DS3クロスバックを除いて、ライバルモデルの方が長い。0-100km/h加速は7.5秒で、最高速度は160km/hだが、目立って良いわけでもない。

試乗車には、素晴らしい音質が楽しめるマーク・レビンソン製サウンドシステムと、オプションの10.3インチモニターが備わっていた。インテリアデザインは個性的ながら、もう少し機能面や質感でも、先進性を感じさせて欲しいところ。

この価格帯のモデルとしては、傷の付きやすいプラスティック素材の利用も多すぎる。組付け品質は良いようだけれど。

カタログ値以上に活発な加速

ナビの設定は、センターコンソール上のノートパソコンのようなタッチパッドを介して操作する。少し扱いにくい。アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応するから、補完できるだろう。

タッチモニターで直接操作できるテスラ・モデル3やポールスター2と比べると、インフォテインメント・システムは旧式感が拭えない。洗練度もライバルの方が高い。

レクサスUX 300e タクミ(欧州仕様)
レクサスUX 300e タクミ(欧州仕様)

運転はシンプルで、市街地を楽しく、活発に走れる。モデル3の鋭さには及ばないものの、UX300eもカタログ値以上に速く感じられる。

アクセルを踏み込んだ瞬間、鋭い加速が引き出せる。路面が濡れていると、前輪のスリップを防ぐためにトラクション・コントロールが介入するほど。

ドライブ・モードはいくつか用意されているが、スポーツ・モードが一番アクセルレスポンスは良くなる。アクセルペダルを戻したときの回生ブレーキの強さは、DとBの2段階から選べる。

Bモードでは、ステアリングホイール裏のパドルで、回生ブレーキの強さを調整可能。ただし、一番効きを強くしても、ワンペダル・ドライブができるほど減速が強力にはならない。

もう少し回生ブレーキの効率を上げれば、54.3kWhのバッテリーから得られる航続距離を、さらに延ばせるのではないだろうか。実際の英国での交通状況では、航続距離は250km前後に落ちると予想する。

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