【キャンピングカーでお仕事】フォルクスワーゲン・カリフォルニアで在宅勤務 後編

公開 : 2020.11.01 11:50  更新 : 2021.07.27 14:38

キャンピングカーのベース車両としても人気の、フォルクスワーゲン製バスの誕生から70周年を迎えます。ドイツへの旅を計画していたものの、コロナ禍で中止。新しい移動オフィスとしての機能性を、確かめる機会となったようです。

ポップアップ式テントで2階建てに

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
サーフィンスポットに停まっている、古いフォルクスワーゲン・タイプ2のキャンパーと比べると、最新のフォルクスワーゲンT6.1 カリフォルニアは比べ物にならないほど豪華。民宿とヒルトン・ホテルくらいの差はある。でも、ちゃんと血縁関係にある。

運転席より後ろのレイアウトは、共通している。スライドドアがあり、反対側にシンクや収納棚が並ぶ。最新型は、電動のスライドドアだが。

フォルクスワーゲン・カリフォルニア2.0TDI オーシャン(英国仕様)
フォルクスワーゲン・カリフォルニア2.0TDI オーシャン(英国仕様)

リアシートはフラットに折りたため、収納式のベンチを並べれば、ダブルベッドが完成。さらに2代目タイプ2からウエストファリア社が実装してきた、ポップアップ式のルーフテントが載っている。今ではこれも電動だ。

2階建てになり、屋根の上にもベッドルームが広がる。大人4名が快適に宿泊できる。ルーフテントを閉じた状態では、4人が過ごすには少し狭い。でも、空間利用と実用性というバランスは高い。

何世代にも渡る実績が、優れた車内空間へと反映している。商用車としての箱型のボディを最大限に活かし、すべての装備が最適な位置にある。考え抜かれたように。

いま原稿を書いている1階に当たるオフィスとリビングは、筆者にとって快適に仕上がっている。寝る場所は2階。見たことのある人ならわかると思うが、ルーフテント内は驚くほど広い。高さも充分にある。

柔らかいマットレスの下には、スプリングが入った本物のようなベッド・マットレスが敷いてある。寝心地も良い。

運転しやすい高い視線の箱型のボディ

難しいのは、フロントシートから屋根の上への移動。特に早朝、寝ぼけた状態でトイレへ行くのに降りようとする時が、危なっかしい。

誤ってキャンパー・モードをオフにしてしまうと、モーションセンサーのセキュリティが作動。ルーフテントから降りる時に、警報が鳴ることもある。ルーフテントへの登り降りを簡便するために、社外品の便利なハシゴも売られている。

フォルクスワーゲン・カリフォルニア2.0TDI オーシャン(英国仕様)
フォルクスワーゲン・カリフォルニア2.0TDI オーシャン(英国仕様)

フォルクスワーゲンの公式グッズの1つ、マグカップでコーヒーを飲みながら、タイプ2の形にくり抜かれたパスタをカリフォルニアで茹でる。最新版のトランスポーターの長距離燃費は確かめられないが、キッチンの使い勝手は良い。

コロナ禍の制限された世の中でも、道を走りたくなる。フォルクスワーゲン・カリフォルニアで、英国西部、サマセットの町を運転する。短距離ながら高速道路にも入るが、クルマには朝飯前。

ポップアップ・テントをたたみ、折りたたみテーブルをしまえば、使い勝手の良いミニバンになる。場面を選ばず、運転しやすい。シート位置は高く、視界は良好。箱型のボディだから、四隅の見切りも良い。

エンジンは2.0LのTDIと呼ばれるディーゼル。198psの最高出力を、7速デュアルクラッチATを介して路面に伝える。車重3080kgもあるが、重苦しさもなく進む。

相当な車重を考えると、乗り心地も褒められる。装備類をしっかり所定の位置に片付ければ、走行中にカタカタと賑やかになることもない。

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