【電動スーチャー+ISG】ジャガーFペイス P400 Rダイナミックへ試乗 小変更 ドライバーズSUV

公開 : 2021.02.21 08:25

快適性を犠牲にしないスポーティーさ

ドライブモードには、ダイナミックiと呼ばれる、好みの設定を組み合わせられるモードがある。サスペンションをしなやかなコンフォートにし、残りの設定をスポーツにすれば、英国郊外の流れの速い道でも理想的なFペイスに仕立てられる。

ステアリングの精度も非常に高い。バランスに優れ俊敏で、Fペイス独特のスポーティーさを感じる。しかも、快適性や上質さを犠牲にしていない。ライバルのSUVで、同じことをいえるモデルは存在するだろうか。

ジャガーFペイス P400 RダイナミックSE(欧州仕様)
ジャガーFペイス P400 RダイナミックSE(欧州仕様)

インテリアのアップデートにも抜かりはない。若干素材感で及ばなかったFペイスの雰囲気を、一気に引き上げている。JLR社製のピヴィ・プロと呼ばれるインフォテインメント・システムも最新版だ。

システムは、中央がわずかに膨らんだ11.4インチのタッチモニターを介して操作できる。エアコンの操作やラジオのボリュームなどには、物理的なコントローラーが残されている点も評価したい。

インフォテインメント・システムはショートカットキーが常時表示され、シンプルで使いやすい。モニターの鮮明さや、システムの反応速度も大幅に高められている。

ブルートゥースを介して、スマートフォンは2基までペアリングが可能。ワイヤレス充電機能も付いている。

インテリアの雰囲気を引き立てているのが、随所にあしらわれた落ち着いた光沢のサテンクローム・トリム。ただし、BMW X3アウディQ5並みの視覚的な上質さはあるが、細かい部分のソリッドな質感や組立品質では、少し及ばないかもしれない。

価値を高めるラグジュアリーなインテリア

試乗車の装備で唯一気になったのが、オプションとなるパフォーマンス・シート。サイドサポートに優れ、快適ではある。しかし筆者の身長では背もたれの高さが足りず、首の付け根に一体型ヘッドレストが当たり、しっくり来なかった。

さらに背もたれの裏面は、硬い素材で覆われる。リアシートの空間に余裕があるわけではないから、大人や大きくなった子供を乗せる機会が多いのなら、シートは標準のままの方が良いだろう。

ジャガーFペイス P400 RダイナミックSE(欧州仕様)
ジャガーFペイス P400 RダイナミックSE(欧州仕様)

実用性でいうと、同クラスではライバルブランドのSUVの方が優れるとは思う。燃費にも優れるし、価格価値でも優勢ではある。

しかしドライバーに対する変わらぬ訴求力と、大幅に高められたラグジュアリーなインテリアを備え、Fペイスは従来以上に価値のあるプレミアムSUVへと進化している。

走りも諦めたくない高級SUVを探しているのなら、Fペイスは選択リストの上位に並んで然るべき。燃費が気になるのなら、もう少し待てばPHEV版も候補へ仲間入りできる。

エンジンの構成としては、多くの競合メーカーがラインナップから落とした種類のモデルでもある。英国も含めて、欧州ではCO2排出に対する規制は厳しくなる一方だから、ジャガーもそう長くは提供できないだろう。

興味があるのなら、早めに行動へ移した方が良い。

ジャガーFペイス P400 RダイナミックSE(欧州仕様)のスペック

価格:6万1115ポンド(855万円)
全長:4747mm
全幅:1936mm
全高:1664mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:5.4秒
燃費:10.2km/L
CO2排出量:221g/km
車両重量:2028kg
パワートレイン:直列6気筒2995ccターボチャージャー+電動スーパーチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:400ps
最大トルク:56.0kg-m
ギアボックス:8速オートマティック

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