【運転席以外も楽しい】ポルシェ911カレラ(4) 長期テスト 当たり前の道が輝く

公開 : 2021.02.21 09:45

992型に生まれ変わったポルシェ911。初代に通じる純粋さを残すスポーツカーです。最新のポルシェは最良なのか。素の911カレラを通じて魅力を探ります。

もくじ

積算1万2102km 使い勝手に優れるスポーツカー
フロントの荷室に座るのも一興
テストデータ

積算1万2102km 使い勝手に優れるスポーツカー

text:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ポルシェ911の長期テストも終りが近づいてきた。もうすぐ、幸運な新しいオーナーのもとへ引き渡されるのかもしれない。

まだ別れの挨拶には早いものの、ポルシェから借りられる期間は短い。まだまだ報告したいことは残っている。

ポルシェ911カレラ(英国仕様)
ポルシェ911カレラ(英国仕様)

年始の英国ベスト・ドライバーズカー選手権のときの移動や、シボレー・コルベットC8との比較で走行したシルバーストン・サーキットを除き、ポルシェ911のドライブはありふれたものだった。そのほかのクルマと同じように。

しかし当たり前の目的地への移動も、ポルシェ911なら輝いたものになる。フォルクスワーゲン・ゴルフGTIが利便性の良いハッチバックでありつつ、優れたホットハッチであることと同じ。911は使い勝手の高い、ホットなスポーツカーだ。

日常的な乗りやすさは、買い物にも便利なリアシートや、格納式のカップホルダーなどからも感じられる。主要な整備間隔が、英国では3万2000kmごとに指定されているという点も、忘れがちだが大きい。

走行距離無制限で3年間の保証も付いてくる。乗る度に、細かい心配はしなくて良い。

もちろんベストコンディションにあるかどうかは、ドライバーが都度確認する必要はある。でも、911の利便性と信頼性の高さを示してくれるものだ。

英国編集部のほかのスタッフも911を楽しんでいる。しっかり消毒をしたうえで。編集部では古株の、マット・プライヤーもその1人。

フロントの荷室に座るのも一興

彼は濡れたシルバーストン・サーキットで、911の走りに感心していた。メルセデス・ベンツSLのようなグランドツアラー並みに滑らかに走れ、充足度の高いドライビング体験も得られると、改めて感じたらしい。

ポルシェ911がその二面性を備えているということを、表立って話される機会は少ない。能力の高さゆえ、実感しにくくなってしまう。ポルシェ911は特別なオーラを放つ、あまりにも見事なスポーツカーだ。しかもプライヤーが話すとおり、楽しい。

ポルシェ911カレラ(英国仕様)
ポルシェ911カレラ(英国仕様)

その楽しさは、運転席以外の人にも伝わる。英国編集部のスタッフの1人は、息子を驚かせるために911を数日借りていた。究極のスポーツカーとして、小さいながら憧れているそうだ。

911はファミリーカーにはなりにくいが、妻と2人の息子を連れて、自宅の近所でのドライブを楽しんだという。みんな、きっと喜んだことだろう。

車内だけではない、新たな楽しみ方も見つかった。911のフロントにある荷室は、迫力ある写真を撮影するために、カメラマンが座る丁度いい場所になるらしい。もちろん安全を確保した状態で、貸し切りのサーキットを走る場合に限られるが。

マックス・エドレストンは、いつも笑顔で有名なフォトグラファー。肌寒い雨まじりの日に、911のむき出しのフロントに座ったら、辛そうな顔に変わるだろうと考えていた。しかし、それは間違いだった。

刺激的な体験だったのだろう。彼の笑顔が証明している。911は、フロントの荷室に座っても楽しいのだ。

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