【モデナの快音を手中に】マセラティ・グラントゥーリズモ 英国版中古車ガイド

公開 : 2021.03.05 08:25  更新 : 2021.07.12 18:45

不具合を起こしやすいポイント

エンジン

エンジンオイル漏れは、マセラティ4200ほどひどいものではないが、珍しくもない。整備しやすいガスケットまわりの修理でも、交換には多額の費用が発生する。

クーラントホースの1本が割れしやすく、冷却系に液漏れの兆候がないか確認しておきたい。エンジンオイルのディップスティックは途中で引っかかることがあり、オイルチェック時は小刻みに動かすと良い。

マセラティ・グラントゥーリズモ(2008〜2020年/英国仕様)
マセラティ・グラントゥーリズモ(2008〜2020年/英国仕様)

燃費は期待しないでほしい。市街地なら、5.3km/Lくらい走れば良い方だ。

サスペンション

オプション設定だったスカイフック・サスペンションは、洗練性とハンドリングを高めることで評価されていた。しかし修理は安くなく、ショックアブソーバーの状態やリコール対応の状況を確認しておきたい。

起伏を越えた時にコツコツと足まわりから音が出る場合、ウイッシュボーン・アームのブッシュ類の摩耗が原因。交換は高くつく。

インテリア

ブルートゥース接続を希望するなら、2009年以降にオプションで搭載されている。パワーシートは、リセットを掛けることで修理前に動作を確認できる。

天井の内張りは剥がれやすい。勇気があるなら、エポキシ接着剤を注入し固定することも可能。

ネバネバとするラバーコーティングは、この年代のクルマで共通の悩み。赤ちゃん用のおしりふきなどで、一度クリーニングを試してみる価値はある。交換は安く済まない。

電装系

フェラーリと同様に、乗らない間は常時トリクル・チャージャーをつなぎ、充電量を保っておきたい。ジャンプスタートは電装系に負担をかけるため、避けた方が良いだろう。

給油時にエンジンの警告灯が付くことがある。燃料キャップが緩んでいるだけでも、点灯する場合がある。

オーナーの意見を聞いてみる

デビッド・ウェルズ

「インテリアは古さが隠せず、インフォテイメント・システムも使えません。しかし、V8エンジンのサウンドがあれば、音質の良いステレオは必要ないでしょう」

マセラティ・グラントゥーリズモ(2008〜2020年/英国仕様)
マセラティ・グラントゥーリズモ(2008〜2020年/英国仕様)

「バッテリーの充電不良は生まれつき。主要ディーラー以外で購入するなら、しっかりした検査は受けるべきです。定期的な世話を怠らなければ信頼性は高いですし、クルマの評判は実際より悪いように思います」

「基本的には、2年か2万km毎の定期点検を受ければ大丈夫。悪くない条件だと思いますよ」

英国ではいくら払うべき?

1万3000ポンド(187万円)〜1万9999ポンド(288万円)

消耗された前期型のグラントゥーリズモ 4.2が英国では出てくる。

2万ポンド(289万円)〜2万9999ポンド(431万円)

初期型のS。魅力的なグラントゥーリズモも少なくないが、ボディのラッピングや改造された例には注意したい。

3万ポンド(432万円)〜3万9999ポンド(575万円)

状態の良いフェイスリフト後のグラントゥーリズモが英国では見つかる。4.7Lのエンジンやネプチューン・ホイールがソソる。

4万ポンド(576万円)以上

生産終了に近い年式が中心。ハードコアなMCストラダーレなども出てくる。

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