【スバル・レヴォーグ】夏と冬比較で実感 スバルが目指す「継承と超・革新」

公開 : 2021.03.09 05:45

アイサイトの威力に驚愕

もう1つは、供給先がこれまでの日立オートモティブシステムズからスウェーデン・ヴィオニアへと刷新された、スバルが「次世代」と称する新たなるアイサイトの威力にあらためて驚いた。

2020年夏の初試乗では、試験場内の周回路を高速道路に見立てて、オプション設定であるアイサイトXにフォーカスした内容だった。

スバル・レヴォーグ(2020年夏の試乗会)
スバル・レヴォーグ(2020年夏の試乗会)

具体的には、準天頂衛星やGPSからの情報と、スバルがインクリメントPや三菱電機と共同で自社開発した専用3Dマップを組みあわせることで、カーブ前での自動減速、料金所前後の自動減速と自動加速、渋滞時(55km/h以下)のハンズオフ、そして渋滞時発進アシストなどがある。これら機能は東京~新潟間の高速道路移動時に十分に体感できた。

たとえば、渋滞合流時の周辺車への検知機能が旧アイサイトと比べて数段上がっており、低速走行での動きのギクシャク感が大幅に軽減されている。

また、自車が減速して停止する際までの流れは、まず大きく減速してから最後に少しブレーキの踏力をスッと抜いてクリープ状態になってからしっかり止まるような動きである。

こうした、まるで運転の上手い人のような動きを含めて、高速走行での制御は、直近で公道試乗した日産新型ノートやマツダ3の年次改良に搭載された運転支援システムと比べて、その出来ばえは明らかに上だ。

継承されるレガシィからの思想

一方で、雪国の一般道走行時では「ぶつからないクルマ」として衝突被害軽減ブレーキを体感することは幸いにもなかったのだが、車線逸脱防止機能の高い精度によって、ワインディング路での安心感が極めて高いことがあらためてわかった。

実感としては、ステアリングが重くなったと感じるくらい、車線内にしっかりととどまろうというクルマ側の意思が強い。

スバル・レヴォーグ
スバル・レヴォーグ

これは、高速走行時で新採用した車線変更支援への対応を踏まえた、白線感知の精度が上がったことに起因する。

ただし、ドライバー自身の判断でステアリング操作をしたいという気持ちをスポイルするような真似はまったくしないところに、長年に渡るアイサイト開発陣のやさしさを感じる。

こうして雪国での走行を続けていると、都会からここまで快適で安心にやって来れるという、レガシィツーリングワゴンから継承される、グランドツーリング思想をしみじみと感じる。
 
と同時に、雪国で暮らす人にとっても、単なる生活四駆という位置づけにとどまらず、クルマを使った生活に対する新たな楽しみを生むのではないだろうか。

新型レヴォーグが目指した、スバルらしさの「継承」と、最新技術による「超・革新」を雪国を走りながら実感した。

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