【パワーユニット供給か】ポルシェ、合成燃料導入でF1復帰の可能性 2025年

公開 : 2021.03.05 06:05

ポルシェは合成燃料「eフューエル」を開発中で、採用されればF1参戦の可能性があると報じられています。

内燃機関の存続に関わる合成燃料

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

ポルシェは、環境に配慮した合成燃料「eフューエル」が採用されれば、2025年に新しいエンジン規制が導入された際にF1への参戦を検討するだろうと報じられている。

フォルクスワーゲン・グループの一員であるポルシェは、エンジン・サプライヤーとしてF1に復帰することに長い間関心を示していた。同社はF1仕様の1.6Lハイブリッド・パワートレインの開発に着手したとも言われている。

2022年からポルシェが試験運用を開始する合成燃料は、エンジンの改良を必要とせず、性能にも影響しないという。
2022年からポルシェが試験運用を開始する合成燃料は、エンジンの改良を必要とせず、性能にも影響しないという。

F1では2025年シーズンにエンジンに関する新ルールを導入する予定だ。技術的な詳細はまだ決まっていないが、この件にはポルシェも関心を寄せていると報じられている。

F1は、内燃機関を維持しつつ排出ガス削減に貢献するために、eフューエルを新ルールの中心に据えようとしている。ポルシェは現在、市販のパフォーマンカー向けのeフューエルの開発に多額の投資を行っている。

ポルシェ・モータースポーツのフリッツ・エンツィンガー副社長は、BBCスポーツの取材に対し、次のように語っている。

「サステナビリティ(持続可能性)の面で、eフューエルの導入などが貢献できるなら非常に興味深いことです」

また、ポルシェは「世界中の関連するすべてのレースシリーズ」と同様に、新しいレギュレーションの動向を「注視している」とも述べた。

エンジンサプライヤーとして復帰か

ポルシェは現在、電動のフォーミュラE世界選手権でワークスチームを運営しており、2023年シーズンのル・マン24時間レースに出場できるLMDhハイブリッド・ハイパーカーの開発に取り組んでいる。

ポルシェは伝統的に耐久レースに注力してきたが、時折F1にも参加している。1962年のフランスGPでダン・ガーニーが804を駆って優勝したが、ポルシェは同シーズンの終わりに撤退。これが同社にとって唯一の優勝となった。

南米で稼働予定の「ハルオニ」試験プラント
南米で稼働予定の「ハルオニ」試験プラント

ターボエンジンの製造に関する知識を持っていたポルシェは、1983年にF1に復帰し、マクラーレン用にV6ユニットを製造した。ポルシェを駆るマクラーレンチームは1984年から1986年にかけて、3つのドライバーズタイトルと2つのコンストラクターズタイトルを獲得している。

1991年にはフットワークチームにエンジンを供給したが、相次ぐ悲惨な結果を受け、シーズン半ばにはコスワースのエンジンに切り替えている。

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