【ヤリスvsノートvsフィット】人気のコンパクトの選び方 3つの視点で比較

公開 : 2021.04.18 05:45  更新 : 2021.10.13 12:04

人気の国産コンパクトの「パッケージ&使い勝手」、「ドライバビリティ」、「バリエーション&価格」を比較します。

人気車相次いでフルモデルチェンジ

text:Takahiro Kudo(工藤貴宏)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

2020年2月にトヨタを代表するコンパクトカーの「ヴィッツ」がフルモデルチェンジし、同時に「ヤリス」へと改名して発売。

ほぼ同じタイミングで、ホンダは「フィット」がフルモデルチェンジして発売。

トヨタ・ヤリス
トヨタ・ヤリス

2020年12月に日産が「ノート」をフルモデルチェンジして発売。

いずれも、Bセグメントのハッチバックで各メーカーを代表するコンパクトカーだ。

ここ1年ほどの間に、日本を代表する3台のコンパクトカーが新型へスイッチしたのである。

そこで今回は、新型が出そろった3台それぞれどんなキャラクターで、どんな特徴があり、どう選べばいいかを比較しながら探っていこう。

より違いがわかりやすいように「パッケージ&使い勝手」、「ドライバビリティ」そして「バリエーション&価格」の3つから迫ってみる。

「パッケージング&使い勝手」は?

まずは「パッケージング&使い勝手」だ。

3台を比べた時に特徴的なのは、ギュッと凝縮したヤリスのパッケージングだ。

トヨタ・ヤリス
トヨタ・ヤリス

3940mmという全長は、フィットに比べると55mm、ノートに対しては105mm短い。だけど、単に短いだけでない。

室内スペースとして見たときに考え方に大きな違いがあるのだ。

ストレートにいってしまえば、ヴィッツよりも狭くなった後席の居住スペース「割り切り」がある。ヤリスはフィットやノートに比べると空間として足元や頭上狭く、そのうえサイドウインドウやCピラーの形状にもとづく閉塞感が存在するのである。

何を隠そう、これが従来のヴィッツからヤリスへのフルモデルチェンジに伴う大きな方向転換の1つ。

ヴィッツ時代は後席居住性まで含めたバランスを重視していたが、新型になって後席居住性を抑えてまで「小さく見えること」にスイッチしたのである。

ヤリスは欧州において「欧州カーオブザイヤー2021」を受賞し、また2021年1月には「月間で最も売れたクルマ」に輝いている。

欧州のコンパクトハッチバック市場には「パーソナルユースで後席は重視しない」、「小さく見えるほうがいい」という考え方があり、ヤリスはそんな層から高い評価を得たのである。

欧州のそんなニーズにターゲットを絞って開発したというのが、後席居住性に優れているとはいえないヤリスのパッケージングの背景なのだ。

一方で、欧州でも日本でも「やはり後席は重要」というニーズだってある。

そんな人たちに向けたクルマが後席居住性&荷室の実用性にこだわったクロスオーバーSUVの「ヤリス・クロス」。

ヤリスとヤリス・クロスの兄弟のキャラクターをしっかり分けることで広いニーズに対応しようというのがトヨタの戦略であり、ヤリスクロスが存在することでヤリスは、実用性の犠牲をいとわない思い切ったパッケージングへ舵を切れたといっていい。

では、フィットやノートの使い勝手はどうか?

両車ともに従来モデルの延長線上にある。

もともとフィットもノートも機能性の高いコンパクトカーとして誕生し、広い後席や荷室が自慢だ。

新型もそれを踏襲し、足元も頭上も広い後席+たっぷりの荷室でファミリーカーとしての能力も高い。

数値上はノートのほうが広いが、実際に座ってみると開放感まで含めて僅差であり、甲乙つけがたい実力。どちらを選んでも失敗はない。

ちなみに、後席リクライニングを用意(オプション設定)するのはノートだけだ。

荷室容量は、ノートのFFモデル(ハイブリッド)で340L、フィットのFFモデルはガソリン車330L/ハイブリッド306L、そしてヤリスは270L。ハイブリッドで比較するとノートが最も広い。

記事に関わった人々

  • 工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

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