【インポートカー】3月の登録台数 ふたたび前年越え アストン/ロールスは大幅回復

公開 : 2021.04.16 12:15  更新 : 2021.10.11 13:49

外国メーカーの登録台数レポートです。3月は、新型コロナ感染症のダメージから脱し、ようやくプラスに。アストン、ロールスといった高級車ブランドが回復しています。

輸入車 前年比103.0%を達成

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)

緊急事態宣言が解除された3月の外国メーカー乗用車の新規登録台数は、3万2591台となり、前年同月比で103.0%を記録。ふたたびプラスに転じた。

月別の総登録台数で前年同月を越えたのは、2020年10月以来となる。

アストンは2021年3月に、単月で60台を登録(前年同月比250.0%)。写真は2020年2月に日本導入されたアストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスター。
アストンは2021年3月に、単月で60台を登録(前年同月比250.0%)。写真は2020年2月に日本導入されたアストン マーティンヴァンテージロードスター。    上野和秀

結果を見ると、期末となる3月だけに各メーカーと販社が頑張ったことから、ほとんどのメーカーがプラスに転じた。

しかしトップのメルセデス・ベンツは、2月に比べてわずか0.2ポイント改善した対前年比91.8%に留まった。

3月もステランティス・グループのFCAとPSAが躍進を続けている。FCAジャパンの総販売台数は対前年比118.4%と好調で、昨年10月から6か月連続で過去最高記録を更新中。

一方、盟友のグループPSAジャパンは取り扱う3ブランドが全て前年実積を上回り、合計で2969台を登録した。

2021年第1四半期の販売台数が5837台となり、前身のプジョーシトロエン・ジャポン時代を含め、第1四半期における過去最高の登録台数を記録したことになる。

高級車ブランドの動向は?

エクスクルーシブ・クラスでは、アストン マーティン(60台:前年同月比250.0%)とロールス・ロイス(33台:同206.38%)、BMWアルピナ(38台:同165.2%)、ロータス(25台:同178.6%)の各メーカーが、2月に続き好調なセールスをキープ。

昨年のコロナ禍の反動で、大幅回復という結果になった。

ただ、3月にこうした高級車ブランドのほとんどがプラスに転じたなか、フェラーリマセラティは前年台数に及ばなかった。

3月の登録台数 トップ10は?

最多販売台数を記録したのは3月もメルセデス・ベンツで、6357台を登録。連続首位記録を73か月に更新した。

2位は、今年1月から前年超えに転じたBMWが4780台を登録したが、前年同月比は4台及ばず99.9%と惜しい結果に。苦戦が続くフォルクスワーゲンは、3578台(同67.4%)で3位に位置。

2021年1月に、ブランド初の“コンパクトな”SUV「XT4(写真)」、ハイエンド・サルーン「CT5」の日本導入を発表したキャデラック。3月は、前年比153.6%を記録した。
2021年1月に、ブランド初の“コンパクトな”SUV「XT4(写真)」、ハイエンド・サルーン「CT5」の日本導入を発表したキャデラック。3月は、前年比153.6%を記録した。    前田恵介

トップ3が前年割れだったのに対し、4位には前年同月比123.9%と好調なアウディが2853台で続いた。5位は、BMWミニが2527台(同110.1%)を記録し、昨年10月からの前年超えの勢いをキープ。

6位にはボルボが入り、2039台(109.4%)を登録しようやくプラスに。

7位は6か月連続で月間記録更新したジープが、新記録となる1925台(同136.0%)でボルボに迫る。3月は人気のラングラーが1123台登録され、初めて1000台の大台を超えた。

8位は10台差でプジョーが続き、同ブランドにとって過去10年間で単月の最高台数となる1915台(同151.3%)を記録。9位には、1078台(同115.7%)を登録したルノーが、先月から1つポジションを上げる。

ポルシェは失速し795台(同75.5%)で10位に落ちてしまった。

10位以下でもシトロエンが日本における単月最高台数となる954台(同170.4%)を達成、アルファ・ロメオも好調で338台(同153.6%)を記録した。

このほか、積極的なモデル追加をおこなったキャデラックが3月は112台(同153.6%)と台数を伸ばし、シボレーも44台(同200.0%)と、GM日本法人のブランドは揃って上昇傾向になってきた。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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