【どんな地形でもドンと来い】メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン 英国版中古車ガイド

公開 : 2021.05.04 08:25  更新 : 2021.07.12 18:45

ステータスシンボル的なクルマになった、メルセデス・ベンツGクラス。その起源といえるゲレンデヴァーゲンの中古車の魅力を、英国編集部がご紹介します。

41年のモデルライフで小さな変化

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
優れたオフロード性能を備えるラグジュアリーSUVを探していて、ランドローバーディフェンダー以外がご希望なら、最も直接的なライバルはいかがだろう。中古車なら、ずっと手に届きやすい。

41年という長いモデルライフを備え、最新のディフェンダーより見た目の進化は小さい。それでも、メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲンは卓越したオフロード性能を備えた1台。英国のランドローバーとは違う方法で、洗練性と堅牢性を両立させている。

メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン/Gクラス(1979〜2018年/英国仕様)
メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン/Gクラス(1979〜2018年/英国仕様)

ちなみにゲレンデヴァーゲンとは、(全)地形車両という意味。今ではGクラスという呼び方に改められている。

今回は、2018年以前のクラシカルなゲレンデヴァーゲンに注目してみたい。オリジナルのW460型(1979〜1992年)と軍用メインのW461型(1992年以降)、W463型の通常モデル(1990〜2018年)を取り上げよう。

ゲレンデヴァーゲンで大きな特徴といえるのが、年式を通じた共通性。フォルクスワーゲンビートルの方が、長年のモデルライフで加えられた変更か所は多いだろう。

1990年式のゲレンデヴァーゲンを買ってきて、ドレスアップし、10万ポンド(1500万円)はするモダンなAMG風のGクラスに仕立てることも不可能ではない。友人や同僚も驚くはず。

現在まで生き残っているW460型は、英国の場合は多くが当時の状態を保っており、本来の目的通りの姿をしている。スタイリッシュで実用的なファミリーSUVとして、泥だらけのオフロードも臆せず走れる。

4気筒からV型12気筒までエンジンは多彩

ただし人気は堅調で、ショートホイールベースの低グレードでも、英国では1万7000ポンド(255万円)位の値段は付いている。低走行距離でロングボディの1987年式なら、2万ポンド(300万円)位は覚悟しておきたい。

このロングボディなら、G63のような見た目にすることも不可能ではない。費用のかかる修理やボディの錆を気にするのなら、W461型を選ぶという手段も英国なら可能だ。

メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン/Gクラス(1979〜2018年/英国仕様)
メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン/Gクラス(1979〜2018年/英国仕様)

新しいクルマほど、カスタマイズされている例が多いのも特長。ゴールドにラッピングされ、リフトアップし、スモークガラスで悪ぶったGクラスも少なくない。砂漠より、ロンドンの中心部が似合いそうだ。

予算によっては、海外からW461やW463を取り寄せることも可能。英国では1995年から2010年まで、Gクラスは売られていなかった。

ドイツやフランス、オランダの中古車サイトを見てみると、元軍用車やキャンピングカーに改造されたもの、珍しい限定モデルなど、様々なゲレンデヴァーゲンが選べることがわかる。

長いモデルライフの中で、W460型の2.0L 4気筒ガソリンからW463型で選べた6.3LのV型12気筒ガソリンまで、ディーゼルも含めて多くのエンジンが選べることも魅力。

その中でも英国で最も人気なのが、適切なメンテナンスで半永久的に使える堅牢性を備えた3.0Lの直列6気筒ディーゼルターボ。後期のV8ガソリンエンジンも、高性能モデルとして支持は高い。

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