全高1.7m以下? メルセデス・ベンツ、ほぼ独自設計の新型「ミニGクラス」 テスト走行開始 2年以内に登場か

公開 : 2025.11.26 17:05

メルセデス・ベンツが開発中の「ミニGクラス」のプロトタイプが目撃されました。Gクラスの小型版で、箱形のシルエットを踏襲しながらもコンパクトにまとめられているようです。ほぼ完全な独自設計で、2027年に登場予定。

コンパクトにまとまった箱形SUV

メルセデス・ベンツは、『Gクラス』の小型版を2027年までに投入する計画だ。新たに展開するGクラスシリーズのエントリーモデルに位置づける。

今回、欧州でテスト走行中のプロトタイプをカメラが捉えた。カモフラージュが施されていたものの、標準のGクラスと比べて非常にコンパクトになることは明らかだ。特に全高の低さが顕著で、隣に並んだ1718mmのEQS SUVよりも低く見えた。標準Gクラスの全高は1969mmだ。

「ミニGクラス」は標準モデル(画像)のデザインを踏襲する。
「ミニGクラス」は標準モデル(画像)のデザインを踏襲する。

デザイン面ではGクラスらしい角張ったシルエットを踏襲し、クラシックな固定式スペアタイヤを備えている。ただし、外観上の差別化を図るためか、新しいライトデザインを採用しているようだ。

9月、メルセデス・ベンツのオラ・ケレニウスCEOは「テスト車両がまもなく公道に登場する」と述べていた。

多くの部品を専用設計

技術責任者のマルクス・シェーファー氏は、このいわゆる「ミニG」で独自のプラットフォームを採用し、「可能な限り本物のGクラスらしさ」を追求していくと説明した。

「Gクラスは非常に特別で、正統なクルマです。ミニGも正統でなければなりません。そのため、既存のプラットフォームを流用することはできません。完全に新規開発する必要があります」とシェーファー氏は述べた。

ミュンヘン・モーターショーで公開された「ミニG」のリアエンド(右)
ミュンヘン・モーターショーで公開された「ミニG」のリアエンド(右)

シェーファー氏はこのプラットフォームを「ミニチュア版ラダーフレームシャシー」と表現し、「現行Gクラスのような本格的なラダーフレームではありませんが、サスペンションやホイールサイズに関してはラダーフレームに近い」とした。

また、ミニGには「非常に多くの」独自部品が使用され、ボディの大部分も含め、その数は「話せる範囲を超える」という。

「時間をかけて、同車の性能と必要とされる要素を検討するうちに、すべて独自のものでなければならないという結論に至りました」

「例えば、ドアハンドルすら現行モデルから流用することはできません。Gクラスのドアハンドルは極めて特殊だからです」

「このクルマの開発には膨大な時間を費やしました。美観と性能を両立するため、数多くの独自部品を開発しなければなりませんでした」

現行Gクラスには内燃機関モデルとEVモデルの両方が用意されているが、ミニGクラスはEV専用になると予想されている。

パワートレイン、特に電気駆動システムについて問われると、シェーファー氏は「詳細は後ほど。現時点で深く語ることはできません」と控えめな回答に留めた。

デザイン責任者のゴーデン・ワグナー氏によれば、ミニGクラスのスタイリングはj標準のGクラスに「微調整」を加えたものになるという。昨年発表されたG580 EQよりも「さらにモダン」な仕上がりになるとのことだ。

ワグナー氏は、「Gは象徴的な存在なので、大きく変えることはできません。わたしは新型(現行Gクラス)が好きです」と述べた。

「小型版には微調整を加えます。シャープさを増し、ヘッドライトのデザインも若々しい雰囲気にしますが円形は維持します。つまり、細部の調整です。それ以外はGのスタイルを踏襲します。モダンなG、大型版よりさらにモダンと言えるでしょう」

さらに、ワグナー氏は「自制心を持って、このアイコンの本質を理解しなければなりません。メルセデス・ベンツは象徴的なデザインを追求していますが、Gほど象徴的なものはないでしょう」と付け加えた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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