【タダのレプリカにあらず】ベルスポーツ&クラシック・フェラーリ330 LMBへ試乗

公開 : 2021.05.07 08:25

フェラーリ330 LMBをオマージュし、4500時間を掛けてレストモッドされたクルマがこちら。貴重な1台に、英国編集部が試乗する機会を得ました。

もくじ

最高のクラシックモデルを少し身近に
コロンボのV型12気筒は4.0Lに
ピタリと合ったアルミ製の美しいボディ
本物と同じくらい特別な体験

最高のクラシックモデルを少し身近に

text:Richard Lane(リチャード・レーン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
理想的な1960年代のクラシック・フェラーリを購入するなら、天文学的な大金持ちにならなければ難しい。しかも実際に運転するとなれば、リスクを考えるとそれ相応の覚悟も必要になる。

最高のクラシックモデルの価値は、青々とした芝生の上に並べられるラグジュアリーなコンクールデレガンスの影響もあって、近年では驚くほど高額になっている。一般道を走らせるとしても、保険をかけることすら難しい。

ベルスポーツ&クラシック・フェラーリ330 LMB(英国仕様)
ベルスポーツ&クラシック・フェラーリ330 LMB(英国仕様)

仮に誤って事故を起こしてしまったら、修理も難しいだろう。代わりのクルマなど、見つからないに等しい。

しかし、クラシックとしての固有の歴史を必要としないのなら、技術革新で特定のクルマを比較的安価に制作することが可能になった。これらの理由が、一部のメーカーで公式にコンティニュエイション・モデルを制作するきっかけになっている。

同時に、いくつかの人たちは夢のクルマを手に入れるべく、果敢に挑戦するようにもなった。今回試乗した真っ赤なクラシックレーサーは、4台しか存在しないオリジナルのフェラーリ330 LMBではない。

しかし、ほぼ同じといえる完成度を備えている。一般道で運転した体験は、極めて特別。希少で高価なモデルを運転しているという、過剰に神経を擦り切らすような必要も、それほどまでは求められない。

コロンボのV型12気筒は4.0Lに

この真っ赤なクーペは、英国ハートフォードシャーに拠点を置くベルスポーツ&クラシック社によって作られた。もともとは、エド・カーターという1人の熱心なフェラーリ・ファンによってスタートしたプロジェクトで、独自のLMB制作が目的だったという。

どちらかといえば入手しやすい通常のフェラーリ330 GTを購入した彼は、専門家チームへコンバージョンを依頼した。ところが2015年にエドは事故で他界。クルマは未完成のまま残された。

ベルスポーツ&クラシック・フェラーリ330 LMB(英国仕様)
ベルスポーツ&クラシック・フェラーリ330 LMB(英国仕様)

そこでベルスポーツ&クラシック社が買い取り、クルマの完成を目指すことになった。利益目的のプロジェクトではなく、レストアを専門とする職人たちによる、意思表明の作品として。

その時代で最高のスポーツカーを仕上げたいという、高い志を表している。この330 LMBの完成に投じられた作業時間は、述べ4500時間以上。入手困難な部品は、イチから作り直されている。

1960年代のフェラーリは、モデル間での共通性も高い。この330 GTの部品も、多くが利用可能だったという。

ジョアッキーノ・コロンボが設計した3.0L V型12気筒エンジンは完全にバラされ、リビルド。排気量は4.0Lに増やされ、ドライサンプの潤滑システムが組まれている。

慎重にバランス取りを行い、最高出力は7600rpmで395psを発揮することを確認。オリジナルのLMBレーサーが主張していた馬力と、ほぼ同値を引き出したことになる。

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