【激レアなポルシェたち】GTLアバルトから904カレラGTS、916、911 T/R 前編

公開 : 2021.05.22 07:05

世界で最も認知度の高いスポーツカーといえば、ポルシェ911はその1台。他方で珍しい限定モデルも多数排出してきました。英国編集部が、その代表を振り返ります。

もくじ

356をベースとしたGTLアバルト
スカイラインと戦った904カレラGTS
911 Tをベースにした911 T/R

356をベースとしたGTLアバルト

text:Chris Chilton(クリス・チルトン)
photo:Porsche(ポルシェ)/RM Auctions(RMオークションズ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
世界で最も名の通ったスポーツカーといえば、ポルシェ911は代表となる1台。一方で、モータースポーツ参戦に向けたホモロゲーション・モデルや台数限定のスペシャルなど、珍しいモデルに事欠かないのもポルシェといえる。

ポルシェ初の量産車として誕生したオリジナルの356は、注目度の高いモデルに変わりない。中でも、1960年から1963年に製造された356カレラ GTLアバルトは、遥か上を行く珍しさだろう。

ポルシェ550 1500 RSスパイダー(1954年)
ポルシェ550 1500 RSスパイダー(1954年)

356の競争力を高めるために開発されたポルシェで、車重がベースモデルの95%を保持していれば新しいボディを用いても構わないという、当時のFIA(国際自動車連盟)の規定に準じている。

カルロ・アバルトのディレクションのもと、スカリオーネがボディをデザイン。20台の356B用のシャシーに、45kgと軽量なスペシャル・ボディが載せられた。空力特性にも優れ、ル・マン24時間レースでは3度もクラス優勝。戦闘力の高さを誇示した。

GTLアバルトよりひと足早く、550 1500 RSスパイダーも1954年に作られている。356開発プロセスで制作されたプロトタイプを展開させたもので、ミドシップとしてポルシェ初でもあった。

550はレース参戦を目的に設計されたが、公道での走行も可能。鉄製のチューブラー・フレームに4カムの水平対向4気筒エンジン、フラット4を搭載し、111psを発生。車重590kgと極めて軽量に仕上がっている。

スカイラインと戦った904カレラGTS

生産台数は90台。その内の1台は、ハリウッド俳優のジェームズ・ディーンが愛車としたことをご存知の読者もいるだろう。しかし彼は致命的な事故を起こし、惜しくも550とともにこの世を去っている。

1964年には、904カレラGTSが登場。911をデザインしたフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェによる、グラスファイバー製ボディを採用している。エンジンは水平対向4気筒のほか6気筒と8気筒も選べ、最高出力は最大で243psまで獲得できた。

ポルシェ904 カレラGTS(1964年)
ポルシェ904 カレラGTS(1964年)

これまでに生み出されたポルシェの中でも、最も美しいモデルの1台だと筆者は思う。サーキット用マシンとして誕生したが、これも公道走行が可能。日本ではスカイラインGT-Bとの戦いが有名だ。

現在の取引価格は個体によって異なるが、少なくとも手に届きやすいものではない。

ミドシップのポルシェといえば、ボクスターやケイマンより以前に、民主化版モデルとして914が誕生している。フォルクスワーゲンとの共同開発で、エンジンはフラット4のほか、914/6としてデチューンされたフラット6も搭載できた。

どちらもスピードは不足気味。そこで、汚名返上とばかりに916が生み出される。フェルディナント・ピエヒのために作られた、2.9Lのフラット6から350psを発揮する特別なワンオフのほか、プロトタイプは10台以上が作られている。

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