【フルハイブリッド追加】フォード・クーガ 2.5デュラテックFHEVへ試乗 選ぶならPHEV

公開 : 2021.05.31 08:25

欧州では堅調に売れている、フォード製SUVのクーガ。新たに追加となった、FEHVと呼ばれるハイブリッド版を英国編集部が評価しました。

英国では販売トップ10入りする人気モデル

text:Piers Ward(ピアス・ワード)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
もしフォード・クーガを買おうと考えているなら、恐らくご希望のエンジンが1つはラインナップされているはず。まず、電動化されていないガソリンエンジンが1種類と、ディーゼルエンジンが2種類ある。

マイルド・ハイブリッドのディーゼルが1つに、ガソリンエンジンのハイブリッドと、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)も選べる。すべてのグレードではないが、四輪駆動も選択できる。ウェブサイトを見ていく内に、お好みのクーガにたどり着くだろう。

フォード・クーガ 2.5デュラテックFHEV STライン Xエディション(英国仕様)
フォード・クーガ 2.5デュラテックFHEV STライン Xエディション(英国仕様)

欧州のフォードにとって、クーガはブランドの核となるモデル。多くの選択肢を用意する理由も、充分に理解できる。ちなみに2代目は、日本でも販売されていた過去がある。

実際、英国の2021年4月の販売台数では、フォード・クーガとひと回り小さいSUVのプーマが、トップ10入りを果たしている。一方で、ハッチバックのフォーカスは遂にランキング外となってしまった。

堅調な人気を維持しているフォード・クーガだが、今回試乗するのは真新しい2.5LのデュラテックFHEVというグレード。このFHEVは、フル・ハイブリッド・エレクトリック・ビークルの略だ。

システム総合での最高出力は189psで、0-100km/h加速時間は9.1秒。最大トルクは、まだ明らかになっていない。エンジンをアシストするAC同期モーターを搭載し、トランスミッションはCVTで、1.1kWhの駆動用バッテリーを積む。

洗練されたパワートレインだが気になるCVT

最大トルクはまだでも燃費は既に公表されていて、17.6km/L。CO2の排出量は131g/kmとなっている。英国などでライバルとなる、ヒュンダイ・ツーソンなどといい勝負といえるだろう。

プラグインではないため、電気モーターだけで走れる距離は短く、その点でのメリットは大きいわけではない。CO2の排出量もPHEVのライバルには及ばない。

フォード・クーガ 2.5デュラテックFHEV STライン Xエディション(英国仕様)
フォード・クーガ 2.5デュラテックFHEV STライン Xエディション(英国仕様)

現行型のフォード・クーガは3代目に当たるが、軽量化にも注力されている。サスペンション・コントロールアームなどにはアルミニウムが用いられ、フロアカーペットには軽量な素材を採用。ショックアブソーバーも中空構造を取っている。

フォードによれば、これらの努力で合計80kgもの車重削減を果たしたとしている。それでも、全長4614mm、全幅1883mm、全高1666mmあるボディの重さは、1701kgと軽いとはいえない。

一般的なハイブリッド・モデルと同様に、FHEV版のクーガも電気モーターだけで静かに発進する。しかし、駐車スペースを出る頃には2.5Lのガソリンエンジンが始動し始める。

電気モーターからエンジンへの移行はとても滑らかに行われ、どちらのパワートレインも良く洗練されている。ほとんどの場面での運転を安楽にする、不足ないパワーも与えてくれる。

ただし、CVTの動作が気になった。市街地を穏やかに走るようなシーンでは問題ないが、加速し出すと途端にエンジンは高回転域を保つようになり、小さくないノイズが耳に届いてしまう。

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