【極上のメカニカルな質感】マツダMX-5(ロードスター) 英国特別仕様車へ試乗

公開 : 2021.06.18 08:25

英国市場に導入された、ロードスターの特別仕様、スポーツ・ベンチャー。ND型の素性の良さを再確認する評価となりました。

唯一の存在といえるマツダ・ロードスター

text:Tom Morgan(トム・モーガン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
最近は希少さを実感する、手頃な価格で後輪駆動のスポーツカー。英国では、トヨタGT86の販売は次期型の登場まで休止中。すっかりニッチ市場となってしまったカテゴリーでは、2シーターのマツダが唯一の存在となってしまった。

MX-5(ロードスター)は、初代の登場から長きに渡って、このカテゴリーのリーダーであり続けてきた。とても心強い存在だ。

マツダMX-5(ロードスター)1.5 スポーツ・ベンチャー(英国仕様)
マツダMX-5(ロードスター)1.5 スポーツ・ベンチャー(英国仕様)

4代目のロードスターが登場したのは、2015年。それ以来、見た目の変化はほとんどない。しかし、アイドリングストップ機能やキャパシタを用いたエネルギー回生システムのアイ・イーループの採用など、アップデートは着実に重ねている。

特にアイ・イーループは、オルタネーターが運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、エアコンなどのエネルギー源の一部を生み出すシステム。オルタネーターの回転ロスも減らすことで、5%の燃費向上につなげている。

細かな改善ではあるが、電動化一辺倒の時代に、ロードスターを継続させるには必要な技術なのだろう。2021年もディーラーで買えるなら、搭載を喜んで歓迎したいと思う。

一方でマツダは、わずかな燃費向上を果たしたと主張しても、ドライバーの心には強く響かないことを知っている。そこで英国市場向けに、限定仕様のスポーツ・ベンチャーが導入された。

以前からロードスターには、特別仕様車がいくつも登場してきた。最新の特別仕様の名称は、2014年に3代目へも設定されていたもの。過去へのオマージュなのかもしれない。

2速から3速のメカニカルな質感は極上

4代目のスポーツ・ベンチャーは、1.5Lエンジンのクルマをベースに、深みのある魅惑的なダークブルーの塗装で仕上げられている。ディープクリスタル・ブルーマイカという色名だが、角度によってはダークグレーにも見える、落ち着いた色味だ。

ボディにコーディネートされるのは、グレーのファブリックルーフと、クロームメッキで仕上げられたドアミラー・カバーとロールバー。インテリアは、ライトストーンと呼ばれる色のナッパレザー。白すぎず、クリーム色とも異なる。

マツダMX-5(ロードスター)1.5 スポーツ・ベンチャー(英国仕様)
マツダMX-5(ロードスター)1.5 スポーツ・ベンチャー(英国仕様)

このナッパレザーのシートは、英国の場合、通常は上級グレードの2.0Lを載せたスポーツ・テックの専用設定。3000ポンド(46万円)ほど高い価格で売られている。

1.5Lエンジンの最高出力は132psと、数字としては小さい。それでも車重は1106kgと軽量で、6速MTを積極的に操りレッドラインまで引っ張って楽しむなら、この馬力でも充分。

エンジンを吹かして、2速から3速へシフトアップした時のメカニカルな質感は極上。この価格帯で、この感触を得られるモデルは他にほぼないといっていい。

アイドリング・ストップ機能は知的に働き、巡航走行時の燃費も良好。ただし、ダッシュボードに表示されるシフトインジケータは、50km/h足らずで6速を勧めてくる。ちょっと煩わしい。

その速度で実際に6速に入れると、エンジンは少し苦しそうなサウンドを放つ。もっとも、速度を問わず音響面での充足感は大きくはない。リラックスしてロードスターを走らせるという楽しみ方には、合ってはいるだろう。

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