BMW M6 コンバーチブル

■どんなクルマ?

BMWは新しい第2世代のBMW M6コンバーチブルが最も速いオープン・モデルだと言っている。それは、0-100km/h加速が4.3秒、80-120km/h追い越し加速が3.8秒、そして0-1000m加速が22.1秒というタイムを考えれば納得できるというものだ。

それは旧いM6コンバーチブルを性能的に追い越すことを目標として造られた、ということは、つまり最速のオープン・モデルを目指したということである。BMW Mディビジョンのフリードリヒ・ ニチェケによれば、オプショナルのMドライバーズ・パッケージを選べば、最高速度は304km/hに達するという。

注目に値するのは、その1980kgという重ささえも何とかしていまうパワーがあるということだ。ジャガーXKR-Sコンバーチブルよりも185kgも重いにもかかわらず、552bhpのツイン・ターボ付4.4リッターV8エンジンは、恐ろしいまでの直線速度をもたらしてくれるのだ。但し、その価格も驚きで、98,995ポンド(1,230万円)というプライス・タグが付けられている。この価格は、前のM6コンバーチブルよりも1,000ポンド(124万円)も高い金額なのだ。

■どんな感じ?

オープン・トップのBMWは、その公式なパフォーマンスが主張するよう本当に速いのだろうか。ファースト・インプレッションでは、それが正しいと思えた。

旧いM6コンバーチブルの5.0リッターV10よりも52bhp、16.3kg-mもパワフルなエンジンは、非常に強力だ。但し、悲鳴を上げるような危ない加速はしない。

スタイリングは、エアロダイナミクスに優れたチューニングが施されている。それは大きなエア・ダクトを持つフロント・バンパー、30mm広げられたフロント・トレッド、Mディビジョン専用のクローム・バンパー、ディフューザーが内蔵されたリア・パンパーなどだ。

ステアリング・ホイール、インストルメント、ギア・レバー、そしてフロント・シートもM6専用となる。最も重要となるドライブ・トレーンとシャシーのキャラクターを変えるためのスイッチは、ギア・レバーの周りに配置されている。但し、電動のファブリックのオープン・トップの開閉を行うスイッチはあまり良い位置にあるとはいえない。

オープン・ロードでは、M6コンバーチブルは魅惑的なサウンドを奏でる。そのV8サウンドは、ハイピッチのエグゾースト・ノートを備えた深いメカニカルな唸りをたてる。回転にあわせてボリュームと強さは大きくなる。シフトダウン時のブリッピングも魅力的だ。

もちろん、このエンジンは必要なときに必要なパワーをM6コンバーチブルに与えてくれるが、リラックスしたクルージングを行うことが可能だ。ターボ・ユニットの巨大なトルクは、どのギアにあろうともアイドリング・スピードから柔軟な粘りを見せてくれる。

ルーフアップした時の優雅さは、ソフトトップの手本となるべきスタイルだ。通常のモーターウェイのスピードでは、全く問題がない。高いギアを選んで走るのであれば、排気音だけが伝わるだけだ。そのファブリックのルーフは40km/h以内であれば19秒で折りたたむことが可能だという。

M6のシャシー・セットアップは、パフォーマンス・モデルとしてよりも日常的な使用に適していると思われる。可変ダンピングは、最高のボディ・コントロールを保つためにセッティングされているし、スプリングも十分に快適な乗り味を示してくれる。

これは旧いM6コンバーチブルからすれば大きな進歩だ。この快適性は、英国においては非常に受け入れられるだろう。

但し、ステアリングについては最初の1/4回転に漠然とした感覚があったのが残念だ。おそらくそれはコンバーチブルのボディ剛性からくる問題だ。その油圧ステアリング・システムは、M5で使われているものと同じものだが、セットアップは同じではなく、それほどシャープでクイックだとは思えなかった。

ステアリング、スロットル・ギアボックス、ダンピング、スタビリティ・コントロールなど無数なキャラクター・セッティングを選ぶことができるシャシー・セッティングは、ドライバーにとってベストなセッティングを見つけるには時間がかかるかもしれない。

一旦セッティングが決まってしまえば、グリップ・レベルは非常に高い。ブレークする限界は高く、恐ろしいスピードで、素早くコーナーを抜けることができるのだ。

■「買い」か?

M6コンバーチブルは、非常に印象的なクルマだ。もちろん速い。際立って速い。しかし、その一方で、リラックスしたクルージングも可能だ。ものすごくしっかりとしたオープン・モデルであり、必要な時にはそのパフォーマンスを引き出すことができる。

ダイナミックな能力の高さがもちろんその中心にある。と同時に、そのインテリアのクオリティの高さは、他のオープン・モデルの面子を潰すぐらいである。

われわれは凸凹の裏道での繊細さが欠けていると思うのだが、高性能なドイツ車としては致し方がないところなのだろうか。

(グレッグ・ケーブル)

BMW M6 コンバーチブル

価格 98,995ポンド(1,235万円)
最高速度 288km/h
0-100km/h加速 4.3秒
燃費 9.7km/l
Co2排出量 239g/km
乾燥重量 1980kg
エンジン V8 4395ccツイン・ターボ
最高出力 552bhp/6000rpm
最大トルク 69.4kg-m/1500rpm
ギアボックス 7速デュアル・クラッチ

 
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