【最後のNA V8モデル】フェラーリ458イタリア 英国版中古車ガイド 高騰前の今が狙い目

公開 : 2021.08.18 08:25

マラネロの自然吸気V8エンジンを搭載する、ラストモデルになった458。まだ手頃な価格に落ち着いている今こそ、飛びつくタイミングなのかもしれません。

F40に並ぶパフォーマンスを秘めていた

text:Jack Warrick(ジャック・ウォリック)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
フェラーリF430の後継モデルとして登場した、458イタリア。スーパーカーの新基準を打ち立てるマラネロの集大成だと、AUTOCARでは高く評価している。

子供部屋の壁に貼られるポスターとしても、好適なスタイリングに仕上がっていた。発売から10年以上が経過するが、570psのNA 4.5L V8エンジンのミドシップは、余裕があるならぜひとも手に入れたい1台だといえる。

フェラーリ458イタリア(2009〜2015年/欧州仕様)
フェラーリ458イタリア(2009〜2015年/欧州仕様)

スタイリングを手掛けたのは、ピニンファリーナ社。2010年当時はジュニア・フェラーリとしてアナウンスされていたが、伝説のF40に並ぶパフォーマンスを秘めていた。新車時の英国価格は17万5000ポンド。カリフォルニアの上、という位置づけだった。

フェラーリらしく、魅力的なオプションを選んでいくと簡単に価格は上昇。レーシーなバケットシートにアルカンターラ張りのヘッドライナー、カーボンファイバー製のステアリングホイールなどを装備すれば、4万ポンドは跳ね上がった。

目的地までの移動速度は、最新モデルの登場毎にわずかに短縮されているものの、458イタリアはまだとてつもなく速い。0-100km/h加速3.3秒、最高速度は337km/hに到達する。2021年に見ても、まったく見劣りしない数字だろう。

トランスミッションは、滑らかに変速するフェラーリ製の7速デュアルクラッチAT。レッドラインは9000rpmに切られる一方で、3250rpmから最高出力の80%を発揮できる。

新車時の人気は高く、入手直後に定価へ2万5000ポンド上乗せして転売した、というケースもあった。評価の高さを示す事例だといえる。

458スペチアーレの価値は別次元

2013年、特別な458スペチアーレが登場。ボディ中央にレーシングストライプがあしらわれ、NA V8は興奮を誘う605psへ上昇していた。

技術的なアップグレードとしては、カーボンファイバー製のアンダーボディに高性能なセラミックブレーキ、マグネティック・ダンパー、新形状のディフューザー、アンチロールバーなどが含まれている。

フェラーリ458イタリア(2009〜2015年/欧州仕様)
フェラーリ458イタリア(2009〜2015年/欧州仕様)

ハードコア仕様として、スペチアーレは窓ガラスも薄肉化。最新のサイドスリップ・アングル・コントロール(SSC)が、勇気あるドライバーへある程度の操る自由を与えた。

イタリアン・スーパーカーだから、走行距離は全体的に短め。しかし、若々しいドライバーによって積極的に運転されてきた可能性は高い。サーキット走行が繰り返された可能性も、ゼロではない。

ボディと内装のカラーや走行距離、オーナー数などの理由で、英国では11万5000ポンド(1771万円)前後から狙える458もなくはない。ポケットマネーの金額ではないが、最新のV12モデルに匹敵する性能を考えれば、お値打ちだ。

458スパイダーなら、プレミアムなオープンエア体験がプラスされる。だが、その多くにはオプションが盛り込まれ、中古車価格も安くはない。

458スペチアーレの人気は別次元。最も手頃なクルマでも、同等の458イタリアより3万ポンド(462万円)は高い価格が付いている。中には、32万ポンド(4928万円)という強気の売り手も。

そこまでになると、新車のフェラーリF8トリブートより10万ポンド(1540万円)も高い。だが、長期的に見れば賢い投資になる可能性はある。

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