【打倒巨人は叶うのか】フォルクスワーゲン・ゴルフGTI x BMW 128ti x ホンダ・シビック・タイプR 前編

公開 : 2021.09.04 09:45  更新 : 2021.09.06 15:29

フロントドライブのポルシェ911 GT3

128tiの英国価格は、3万3000ポンド(508万円)から。意外にも前輪駆動のBMWは、この3台で最も手頃なクルマとなっている。

ホンダについては、充分にご存知だろう。オーバスクエアで高回転を好むVTECエンジンを搭載し、フロントドライブ・ホットハッチのパワーユニットとして、1つの目標水準を築いた。

ホンダ・シビック・タイプR リミテッド・エディション(英国仕様)
ホンダ・シビック・タイプR リミテッド・エディション(英国仕様)

最高出力を比べると、ゴルフGTIが300ps/5000rpm、128tiが265ps/4750-6500rpmなのに対し、シビック・タイプRは320ps/6500rpmと、頭が1つ出ている。エンジンは、いずれも2.0Lの4気筒ターボだ。

タイプR リミテッド・エディションは車重も1番軽く、1358kg。セミスリックと呼びたいミシュランのカップ2タイヤを履き、ホイールはBBS社製の鍛造。見た目も1番派手だし、スペックも秀でている。だが、ホンダは単に速さを求めたクルマではない。

磨き込まれた操縦性と、深みすら感じる機械的な操作感。しばしば、フロントドライブのポルシェ911 GT3だと、われわれが表現する域にある。このリミテッド・エディションは、究極のベンチマークといえる。3台で唯一、MTを搭載してもいる。

フォルクスワーゲンが向き合う相手は、ホンダだけではない。45年の歴史を持つゴルフGTIにあって、BMWの128tiほど接近したライバルは過去にいなかった。

どちらのドイツ勢も、目指すのはドライバーを魅了すること。実用性の高さとプレミアムな質感を求めていながら、力強いパフォーマンスと一般道での速さも追求している。簡単ではない目標だ。

この続きは中編にて。

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