【40系に続き、60系も】アメリカで高額落札 ランドクルーザーのオークション動向

公開 : 2021.08.29 19:45  更新 : 2021.10.11 10:52

なぜ高額で落札されるのか?

北米のクルマ趣味の祭典「モントレーカーウィーク」。今年は、その中の競売でランドクルーザーFJ45と、FJ62が相場を大きく超える額で落札され注目を集めた。

RMサザビーズのモントレー・オークションに出品された1981年ランドクルーザーFJ45ピックアップは、ランクルのスペシャリストとして知られる「FJカンパニー(マイアミ)」が、オリジナルにこだわってフル・レストアした車両だった。

1981年ランドクルーザーFJ45ピックアップ(16万8000ドル:約1848万円)
1981年ランドクルーザーFJ45ピックアップ(16万8000ドル:約1848万円)    The Classic Motor Company(RM Sotheby’s)

その仕上がりは“新車以上”といえるもので、40系ランクルの中にあって少数派で愛好家に人気の高いロングホイールベースのピックアップ(FJ45型)だったことも注目を集める要因に。

FJ45に限らず40系ランクルの落札額としては高額に見えるが、その裏には納得できる事実があったのである。

現在FJカンパニーで“新車以上”のクオリティに復元して販売される40系は、装備によって変わるが最低で20万ドル(約2200万円)のプライスタグが付く。

また事前に主催者のRMサザビーズから発表された予想落札額は9~11万ドル(約990~1210万円)と値ごろだったこともあり、開始前から注目を集めた。

プロショップでレストアされた個体が安価とあって入札がヒートし、最終的にFJ45の新記録となる16万8000ドル(約1848万円)で落札されている。

FJ62が初お目見え 結果は?

もう1台のランドクルーザーは、メジャー・オークションには初登場となるFJ62で、今回はグッディング&カンパニーのペブルビーチ・オークションに1986年モデルが姿を見せた。

このFJ62もFJカンパニーで2年に及ぶ徹底的なフレームオフ・レストレーションを施した個体で、トヨタから出荷された“新車時以上”のコンディションが特徴。

1986年 トヨタ・ランドクルーザーFJ62(13万4400ドル:約1479万円)
1986年 トヨタ・ランドクルーザーFJ62(13万4400ドル:約1479万円)    Juan Rivas(GOODING&COMPANY)

基本的にオリジナルを尊重し、エクステリアとインテリアの改造は一切なく、エアコン・システムも当時の物をレストアして使用しているほど。

現代のクルマ社会で走らせることからLEDヘッドランプと、iPhoneやブルートゥースに連携するプレミアム・オーディオを装着しているが、必要とあればどちらもオリジナルへ戻せるという。

メジャー・オークション初登場となったFJ62は、予想落札額は7~9万ドル(約770~990万円)と発表されていたが、入札が始まると競り合いが続き、最終的に13万4400ドル(約1479万円)で決着。

アメリカのランクル界で絶対的な存在であるFJカンパニーが仕上げたことが高額落札された大きな要因といえる。

これに加え、40系に比べると文化的で、街乗りから荒野まで快適に楽しめる60系の存在が見直されたともいえる。

ランクルにとって第二の故郷となるアメリカで、その人気は衰えることを知らない。これまでは40系だけが注目されていたが、次第に年式が新しいモデルにも目が向けられてきたようだ。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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