【どう違う?】話題の新型カローラ・クロス 日本仕様と海外仕様を比較

公開 : 2021.09.14 15:16  更新 : 2021.10.13 12:01

待望のトヨタ・カローラ・クロスが日本デビュー。海外とは違う日本だけの特別仕様が多数。違いを紹介します。

待望の日本デビュー カローラSUV

執筆:Takahiro Kudo(工藤貴宏)
編集:Taro Ueno(上野太朗)

ついに正式発表された「カローラ・クロス」。

トヨタの最新SUVであると同時に、トヨタとして初となるCセグメント実用パッケージングのSUVである。

トヨタ・カローラ・クロス(日本仕様)
トヨタ・カローラ・クロス(日本仕様)    トヨタ

同社にはこれまでもCセグメントに「C-HR」というSUVが存在したが、カローラ・クロスと大きく異なるのはパッケージングの考え方。

C-HRはあくまでスポーティなデザインありきのクーペスタイルで、後席居住性やラゲッジスペースを重視したものではなかった。

一方、カローラ・クロスは、全長の割に広い室内空間やクラストップの487Lを誇るラゲッジスペースなど実用本位の設計になっている。

ところで、そんなカローラ・クロスのデビューは日本が最初ではない。

2020年7月のタイを皮切りに、台湾、そして北米(2021年6月に発表し10月頃から発売)と徐々にマーケットを拡大し、待望のデビューなのである。

日本のユーザーとしては「日本発売のタイミングは遅い」と考えてしまうが、トヨタによると「最初に『スポーツ』、そして『セダン』と『ツーリング』そして今回のクロスとカローラ・シリーズの動きのなかでタイミングをはかってリズムよくモデルを追加していく流れを作っている。カローラ・クロスは当初の予定よりは日本投入を早めた」という。

日本投入がこのタイミングになった理由としては「マーケットの要望とその地域でトヨタがラインナップしている車種との兼ね合いで各地への投入タイミング決めたこと」などがあるという。

日本仕様と海外仕様 顔が違う

たとえば世界ではじめてカローラ・クロスを発売したタイは、C-HRこそ用意するが、「ヤリス・クロス」(現地仕様ヤリス・ハッチバックのリフトアップ仕様を除く)も「RAV4」も展開していないので、カローラ・クロスの登場までは車体が大きすぎずに実用的なSUVが存在しなかった。

そこでカローラ・クロスの投入が急がれたというわけだ。

トヨタ・カローラ・クロス(海外仕様)
トヨタ・カローラ・クロス(海外仕様)    トヨタ

ローカライズした現地専用車ならともかく、グローバルモデルを世界で最初にタイへ投入するというのは日本メーカーとして珍しいパターンである。

興味深いのは、日本仕様のカローラ・クロスには、日本国外向けモデルとは違う部分がいくつかあること。

まずわかりやすいのは顔つきである。

タイ、台湾、そして北米と日本以外のモデルはすべて大きなグリルを構えた力強いフロントマスクとしている。

しかし日本では、上部を小さなグリルとし、大きなグリルは上部ではなくバンパーより下の高さまで抑えた「キーンルック」としている。

はやい話が、ほかのカローラ・シリーズに近い顔つきなのだ。ヘッドライトも日本独自デザインとなっている。

その違いが持つ意味を開発者にたずねてみたところ帰ってきた答えは「市場の嗜好の違い」というシンプルなもの。

「タイや台湾、そして北米ではSUVにタフな見た目を求める。

一方で日本は洗練された上質な雰囲気が重視される」のだという。

記事に関わった人々

  • 工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

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