ラム1500 TRXへ試乗 ヘルキャット用6.2L V8 712psの怪獣 パワー競争再燃か

公開 : 2021.11.02 08:25  更新 : 2021.11.02 11:49

フォードのF-150ラプターに対抗し、ステランティス・グループが用意したピックアップが、ラム1500 TRX。712psの怪力トラックを、英国編集部が評価しました。

ラプターを凌駕する712psのTRX

執筆:AUTOCAR
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ステランティス・グループのピックアップ・トラック担当、ラムは、競争に勝つことだけを狙っているのではない。屈辱的にライバルを負かしたいと考えている。

456psを発揮するフォードF-150ラプターでも充分だというのに、遥かに上回る712psの1500 TRXを用意する理由は、ほかに思い浮かばない。ちなみにラムとは、ダッジから独立することになった商用車部門だ。

ラム1500 TRX(欧州仕様)
ラム1500 TRX(欧州仕様)

ボンネットを上げてエンジンカバーを外せは、エンボス加工された文字が目に入ってくる。野獣を食い倒すティラノサウルス・レックス(T-REX)の心臓部は、ダッジ・チャレンジャー・ヘルキャットにも搭載される6.2L V型8気筒のヘミ・ユニットだ。

1500 TRXは排気量だけでなく、パワーとトルクでも、アメリカン・マッスルトラックの頂点に君臨してきたF-150ラプターを凌駕する。最大トルクは、ラプターが70.3kg-mなのに対し、TRXは89.7kg-mもある。

車重は2880kgと、こちらもモンスター級。それでいて0-97km/hの加速時間は4.5秒と、瞬発力も非常に鋭い。

子どもが喜ぶような数字だけではない。1500 TRXの最大牽引重量は3674kg。最大積載量は見た目の印象より小さい594kgだが、走れる水の深さを示す渡河深度は、880mmもある。

最低地上高は300mm。クルマのフロント部分、アプローチアングルは30.2度、リア側のデーパーチャーアングルは23.5度と、起伏の大きいオフロードにも不満なく対応できる。

専用ボディとシャシーで能力を大幅向上

ラムは通常の1500からTRXを仕立てるにあたり、大々的に手を加えた。ボディは203mmもワイドになり、トレッドは152mm拡大。ブレーキディスクは大径化され、フロントアクスルの位置は前方に20mmスライドされている。

サスペンションは強化され、より高い負荷を受け止める。タイヤの上下ストローク量も増やされており、フロントで330mm、リアで356mmまで可動する。これは標準のラム1500比で、40%も大きいという。

ラム1500 TRX(欧州仕様)
ラム1500 TRX(欧州仕様)

リアのサスペンション・スプリングの長さは600mm。このセグメントのトラックとしては最長だとラムは主張する。タイヤは肉厚なグッドイヤーラングラー・テリトリーという銘柄のオフロードタイプ。アルミホイールは18インチだ。

TRXは、エクストリームという言葉がぴったり。ボディサイズは大きく、見た目もごつい。高い走破性も目指されている。それでいて非常に快適で、ピックアップ・トラックとして実用性が高いことも特長だろう。

ラムはTRXに専用のインテリア・デザインを与えたほか、アダプティブ・クルーズコントロールや衝突警告、駐車時の360度カメラ、高精細なカメラ式リアミラーなども装備する。19スピーカーに900Wのハーマン・カードン社製オーディオも備わる。

車内を眺めて特に目を引くのは、12インチの縦型タッチモニター。TRXの能力を引き出す、マッド、サンド、ロック、スノー、牽引という幅広い専用ドライブモードの選択も、この画面で行える。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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