映像作品でもおなじみ 米国の象徴的なパトカー 31選(後編) 現代の警察車両は?

公開 : 2025.03.30 19:25

強力なエンジンとタフな構造、警官の安全と快適性に配慮した車内設計……。今回は米国を代表するパトカーを年代順に紹介します。これまではセダンが主流でしたが、今は主役を座をSUVへ譲っています。

シボレー・ビスケーン2ドア・ポリス(1966年)

1966年モデルのシボレーのパトカーには、5種類ものV8エンジンがオプションとして用意されていた。最高出力390psの427立方インチ(7.0L)ターボジェットから、195psの283立方インチ(4.6L)ターボファイアまで、出力もさまざまであった。

また、2ドアおよび4ドアのビスケーンすべてにおいて、ブレーキ、サスペンション、ポジトラクション(Positraction、リミテッドスリップデフ)などのヘビーデューティなコンポーネントがオプションで装備可能だった。シボレーは警察に対し、地域のディーラーで「ホットなパトカー」を「調査」するよう呼びかけた。

シボレー・ビスケーン2ドア・ポリス(1966年)
シボレー・ビスケーン2ドア・ポリス(1966年)

ダッジ・ポラーラ・パシュート(1966年)

1966年型ポラーラ・パシュートの目玉は、新型の440立方インチ『ウェッジ』エンジンの搭載であった。この7.2Lシングルキャブのモンスターエンジンは375psの出力を発揮し、1978年に製造が終了するまで、クライスラーの警察車両用エンジンとしては最もパワフルなものであった。しかし、この頃には、出力評価システムの変更、新しい排ガス規制、無鉛ガソリンへの切り替えにより、255psしか出ないようになっていた。

ダッジ・ポラーラ・パシュート(1966年)
ダッジ・ポラーラ・パシュート(1966年)

ポンティアック・カタリナ4ドア・セダン・ポリスカー(1969年)

1969年型ポンティアック・カタリナの特徴的なフロントノーズが、現在の歩行者衝突試験で高い評価を得られるかどうかはわからないが、同年の警察仕様のカタリナに存在感を与えていたのは確かだ。

しかし、車内は以前のモデルよりも安全性が高く、1967年モデルからはソフトパッド入りのインパネと前席・後部座席のシートベルトが標準装備となっている。

ポンティアック・カタリナ4ドア・セダン・ポリスカー(1969年)
ポンティアック・カタリナ4ドア・セダン・ポリスカー(1969年)

フルサイズのカタリナは1969年モデルで再設計され、より角ばった外観を獲得し、ホイールベースも122インチ(3099mm)に延長された。しかし、中身は1965年モデルからほとんど変わらず、3速ATとエンジンを搭載している。

プリムス・サテライト・ポリスカー(1972年)

1971年に登場した第3世代のプリムス・サテライトは、ベルベディアの後継となるBボディのミドルサイズ車であり、警察仕様として『A38』も用意されていた。1972年には、「どこへでもあなたを運ぶために作られた」と宣伝されていた。

1974年型サテライトは、テレビシリーズ『爆発!デューク』にさまざまな場面で共演した6台のパトカーのうちの1台である。この中には、サテライトの後継車であるフューリーも含まれており、同車はプリムスを1970年代後半の米国で最も人気の高いパトカーブランドとして確立した。

プリムス・サテライト・ポリスカー(1972年)
プリムス・サテライト・ポリスカー(1972年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    グラハム・ヒープス

    Graham Heeps

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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