スクラップとして消えていく希少・奇妙なクラシックカー 40選(前編) ジャンクヤード探訪
公開 : 2025.05.11 18:25
米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、環境面や税金面で厳しい状況に置かれながらも、なんとかこの世界に留まり続けている興味深いクラシックカーを紹介します。
もくじ
ー厳しい状況に置かれる廃車たち
ーオールズモビル・カトラス - 1960年
ーシボレー・カマロ - 1983年
ーフォード・フェアレーン500スカイライナー - 1959年
ービュイック - 1939年
ーオールドスモビル・スーパー88 - 1954年
ーシボレー・ステーションワゴン - 1953年
ーポンティアック・ボンネビル - 1967年
ーポンティアック・トランザム - 1979年
ーシボレー・コルベット - 1984年
ーシボレー・コルベットZR1 - 1990年
ーダッジ・ダート - 1973年
ーオールドスモビル・カトラス - 1979年
ーシボレー・カマロ - 1988年
ー三菱ジープ - 1979年
ーエドセル・シテーション - 1958年
ージープ・グラディエーター - 1973年
ーポンティアック・トランザム - 1985年
ービュイック - 1946年
ーオールズモビル・トロネード - 1966年
ーポンティアック・カタリナ - 1964年
厳しい状況に置かれる廃車たち
数年前に米ワシントン州バンクーバーにあるジャンクヤード『オール・アメリカン・クラシック(All American Classics)』を訪れたとき、ちょうど事業規模を縮小したところだった。
これは、増え続ける固定資産税に対処するために必要な措置だと聞いた。土地の半分を売却するという難しい決断を下し、その過程で1200台のクラシックカーを処分したという。

しかし、同ヤードのオーナーは何を残し、何を捨てるかを慎重に検討し、結果として1930年代から2000年代までの極めて希少な車両1000台以上を残すことにした。わたし達取材班が写真撮影を楽しんだように、皆さんもこのクラシックカーのコレクションを楽しんでいただければ幸いだ。
オールズモビル・カトラス – 1960年
事業規模は以前より縮小したものの、このジャンクヤードでは1日に2台のペースで車両が購入されていた。レストア用としてすぐに売却される車両もあるが、その大半は部品取り用として購入されるため、何十年もヤードに保管されることになる。スペースが限られているため、新しい車両が入ってくると、古い車両は処分されてしまう。まさにそれが、この1960年製のオールズモビル・カトラスの身に起こっていたことだ。この個体は、『ベルタ』というニックネームがついた破砕機にちょうど送り込まれるところだった。
フォークリフトの運転手は、このクルマはひどく腐食しており、再利用可能な部品はほとんど残っていないと説明した。「次にカメラマンが来たときのために小道具としてここに置いておくのは、悪いけどできないよ」と彼は言った。

シボレー・カマロ – 1983年
このヤードには、1967年から2017年までの120台以上のシボレー・カマロの部品取り用車両が保管されている。その中に、6年間保管されていた1982年製のこの車両もあった。
このヤードでは、客が自分で部品を取り外すことができるが、取材班が訪問した際、スタッフは、上着の中に部品を隠して持ち出そうとする窃盗犯が多いと教えてくれた。

フォード・フェアレーン500スカイライナー – 1959年
こ1959年製フェアレーン500スカイライナーは、ハイドアウェイ・ハードトップ(Hide-Away Hardtop)という格納式ルーフを装備し、2010年からオール・アメリカン・クラシックに保管されている。スカイライナーは、1938年のプジョー402エクリプス・デカポタブルに次いで、世界で2番目にリトラクタブル・ハードトップを搭載した量産車だ。驚くべきことに、このヤードには同年に製造された1万3000台のスカイライナーのうち2台が保管されている。