プジョー308 アルーレ e-THP 130

公開 : 2014.05.07 22:30  更新 : 2017.05.29 19:00

■どんなクルマ?

新しいプジョー308にはPSAグループが開発した3気筒のターボあるいはNAのピュア・テックなるエンジンが組み合わされる。このエンジンは現段階で308とその兄弟車のSW・エステートのみに限定されるが、108や208、2008といった他のモデルにも段階的に採用される予定である。

プジョー曰く、このピュア・テック・エンジンは1.6ℓTHPユニットの次世代エンジンとして不足ないパワーを兼ね備え、順次置き換えていく予定とのこと。130という数字は130psを意味し、トルクは23.5kg-mとなる。

特筆すべきは、パワーよりも燃費で、プジョーは25km/ℓとCO2排出量110g/kmの2つの甘い数字でバイヤーの心を揺すぶる。同時に、プレミアムでスタイリッシュなドライビングでカー・オブ・ザ・イヤーの座も虎視眈々と狙っている。

■どんな感じ?

アクセルを踏み込んで回転を上げた際にもリラックスでき、緊張感や無理をしているといった感覚は全くない。低速で走行する際のスロットル・レスポンスも良好だ。

17インチのアロイ・ホイールを装着したテスト車で、荒れた高速道路を走行する際の衝撃吸収も文句なく非常に快適で、低速走行時でさえも非常に落ち着いている。とくに革巻きのステアリングやギアノブの仕立ての良さやフロント・パーキング・センサー、リアカメラに始まる内装装備も何度褒めたことか思い出せないくらい良く出来ている。また車内のほとんどの動作は、プジョーの9.7インチ・タッチスクリーンにて行うことが出来る。

直線走行ではエンジンの軽量化の恩恵を受けて非常に軽快であるものの、コーナリングではその軽さゆえに少し落ち着きがなく、ロールするにも尖すぎる印象がある。同時にステアリングのクイックさと重さは適度であるもののホイールからのフィード・バックは希薄だ。

もう一点、6速ギアボックスにも少し難点があり、特に2速から3速にシフトする際に、あたかもギアボックス自体がシフト・チェンジすることを歓迎していないかのような違和感を感じる。

またおそらく、購入者の中で気にしない人がいないであろう燃費に関しては、プジョーの公表する25.0km/ℓという値からはかけ離れた、19.1km/ℓという値が、田舎道と市街地を走行した際の結果となった。

■「買い」か?

もしあなた自身が、経済性なんてスタイリッシュかどうかの二の次だとおっしゃるのであれば、間違いなくこの308は良き選択肢になるだろう。フォード・フォーカス1.0 エコブーストやフォルクスワーゲン・ゴルフ1.2 TSIはより素早く活発であるものの、このモデルだって賞賛に値するプジョーの努力の賜物である。

3気筒エンジンの年間平均ガソリン代は12000マイル(1万9000km)走行したとして、308がおおよそ£1,278(18万9000円)、フォーカスが£1,258(18万6000円)、ゴルフが£1,306(19万3000円)といった結果になるはずだけれども、MTモデルのCO2排出量の観点で見ると、308は僅か110g/km、フォーカスは114g/kmになる。また内装の贅沢さもフォードより優れるポイントである。

308と他ライバルを比べる際には、経済性とプレミアム感が勝負の決め手になるだろう。そして忘れてはならないのが、プレーンな新しい3気筒エンジンだということも、改めて書き添えておこう。

(ダレン・モス)

プジョー308 アルーレ e-THP 130

価格 £21,270(315万円)
最高速度 201km/h
0-100km/h加速 10.3秒
燃費 20.9km/ℓ
CO2排出量 110g/km
乾燥重量 1370kg
エンジン 直列3気筒1198ccターボ
最高出力 130ps/5550rpm
最大トルク 23.5kg-m/2750rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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