日産パトロール(サファリ/Y61型) 英国版中古車ガイド 高能力オフローダー

公開 : 2021.11.18 08:25

能力に長けたオフローダーを妥当な金額で

2005年にフェイスリフトを受け、フロントマスクを中心にリフレッシュ。インテリアも新しくなり、標準装備の充実度も高められている。3.0 Diではターボに関する不具合が報告されていたが、この時点で改良を受け解消した。

とはいえ、Y61型は信頼性が高い。特に前期の2.8Lモデルは、整備費用も安く済み、構造もシンプル。英国には日本のSUVを専門に扱う業者があり、部品もまだ入手しやすい状態にある。

日産パトロール(サファリ/Y61型/1997〜2016年/英国仕様)
日産パトロール(サファリ/Y61型/1997〜2016年/英国仕様)

パトロール・ファンで構成されたオーナーズクラブも、英国にはある。アドバイスも受けやすいだろう。妥当な金額で手に入れられる、タフで能力に優れたオフローダーこそ、Y61型の日産パトロールだと思う。

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

前期2.8Lエンジンは、タイミングベルト。グロープラグが焼き付くことがある。シリンダーヘッドの分解は、専門家に依頼した方が良いだろう。バイオ燃料の利用が原因で、インジェクター・ポンプのシールなどへ不具合を招くこともあるようだ。

後期の3.0Lエンジンはタイミングチェーン。排気ガスの再循環バルブを塞ぎ、パフォーマンスを高める改造を施している例も。また初期の3.0Lエンジンでは、ターボのトラブルが発生しやすい。

トランスミッション

日産パトロール(サファリ/Y61型/1997〜2016年/英国仕様)
日産パトロール(サファリ/Y61型/1997〜2016年/英国仕様)

スムーズに変速でき、クラッチに滑りがないか確かめたい。特に2002年以前のモデルでは、5速が弱いので、試乗時での確認は忘れずに。

ブレーキとサスペンション、ステアリング

ブレーキは効きが弱く、多くのオーナーはパッドとディスクを高性能なものへ交換している。ブレーキの配管はスチール製で錆びがち。

サスペンションのブッシュはヘタるが、スーパープロ社などのウレタン製へ交換するアップグレードは人気の1つ。サスペンションを交換し、乗り心地と操縦性を改善することもできる。

ステアリング系はジョイント類に不具合が出やすいが、社外の対策品を購入できる。オフロード・ファンは、指にダメージを与えるキックバックを減らす目的で、ステアリングダンパーを取り付けるようだ。

ボディ

フロントフェンダーに取り付けられた、樹脂製フェンダーアーチ付近が腐食しやすい。塗装に気泡状の膨らみがないか確かめたい。

フロント・クロスメンバー付近のサビは一般的。英国のオーナーは、シャシーの標準的なサビ、と話している。リアのサブフレーブも、かなり錆びやすい。同時に下回りを覗いて、岩で擦った跡がないかなども確かめたい。

インテリア

カーペットなどが湿っていないか確かめる。渡河などのオフロード走行で、水が侵入しがち。パワーウインドウとエアコンの動作もチェックポイント。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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