BMW 4シリーズ・グランクーペへ試乗 モデルチェンジ 初代の良さを継承

公開 : 2021.11.23 08:25  更新 : 2022.08.08 07:21

期待以上のヒット作、BMW 4シリーズ・グランクーペに2代目が登場。Mパフォーマンス仕様を英国編集部が評価しました。

初代は世界86万台のヒット作

執筆:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
4ドアサルーンの3シリーズと2ドアクーペの4シリーズの間の、ニッチ(隙間)モデルとして誕生したBMW 4シリーズ・グランクーペ。2015年に登場した初代の販売台数は、ニッチと呼べるほど小さくなかった。

これまでに86万台が世界中で売れており、英国の街なかで目にする機会も多い。予想を上回る人気を受けるように、2代目へモデルチェンジした4シリーズ・グランクーペのコンセプトは、初代のものを継承したようだ。

BMW 4シリーズ M440i xドライブ・グランクーペ(欧州仕様)
BMW 4シリーズ M440i xドライブ・グランクーペ(欧州仕様)

フロントマスクは、巨大なキドニーグリルを含めて、4シリーズのクーペやカブリオレと共有。フロントガラスから後ろは、4ドアクーペとしてオリジナルとなる。

サイドウインドウはフレームレスで、ルーフラインが滑らかにテールエンドへ伸びる。大きな荷室の上には、大開口のテールゲートが載っている。

車内を覗くと、ダッシュボードなどのインテリアも、4シリーズ・クーペと共有していることがわかる。ドライバーの正面には、10.25インチのモニター式メーターパネルが据えられる。

ダッシュボード中央には標準で8.8インチ、オプションで12.3インチが選べる、インフォテインメント用タッチモニターをレイアウト。造形や素材など、すべてが心地よく高級感が漂う。

インフォテインメント・システムは、最新のiドライブ。使いやすさでは、クラストップのままだ。

4ドアサルーンの3シリーズと比べれば、4シリーズ・グランクーペのリアシートは狭め。ルーフの傾斜が強く、頭上空間が限定的といえる。着座面は下げられているようだが。

M440i xドライブは3.0L直6ターボに四駆

英国に入ってくる4シリーズ・グランクーペは、420iと430i、M440i xドライブという3段階のガソリンエンジンと、ディーゼルエンジンの420dの4種類。M440i xドライブには改良を受けた3.0L直列6気筒ターボが載るが、それ以外はすべて4気筒ターボだ。

今回試乗したのは、M440i xドライブ。先代の440iへ搭載されていたユニットに手を加え47psを上乗せし、最高出力は374psを獲得。最大トルクも5.1kg-m増しの50.9kg-mを、1900rpmから5000rpmというワイドな回転域で発揮する。

BMW 4シリーズ M440i xドライブ・グランクーペ(欧州仕様)
BMW 4シリーズ M440i xドライブ・グランクーペ(欧州仕様)

さらにマイルド・ハイブリッドも採用し、電圧48VのISGが加速をアシストしてくれる。ドライブモードでエコ・プロかコンフォートを選択すると、軽負荷時にエンジンを駆動系から切り離し、アイドリング状態にしてくれる機能も採用された。

直列6気筒エンジンは、BMWという名前にふさわしい力強さと質感をバランスさせている。ターボラグは僅かに感取されるものの、パワーは線形的に高まり、滑らかに高回転域まで吹け上がる。それでいて、低回転域では充分に粘り強い。

トランスミッションは、標準でトルクコンバーター式の8速ATが組まれる。AT任せでも、ステアリングホイールに取り付けられたパドルを弾いても、素早くスムーズに変速をこなしてくれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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