ジャガーXF(1) 長期テスト 本物のブリティッシュ・スポーツサルーン

公開 : 2021.12.05 09:45

一新されたXFのインテリア

ただし、長期テストのXFはRダイナミックと呼ばれるスポーティな仕様。オプションが5000ポンド(約77万円)近く追加され、結果的にバーゲンプライスとはいえない、4万3110ポンド(約663万円)で仕上がっている。

XFは、マイナーチェンジでイメージも刷新された。より価格の高いグレードを選んでも、価格価値に優れたモデルを所有しているという満足感はあるだろう。

ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)
ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)

見た目の変化としては、スリムになったヘッドライトがわかりやすい。フロントグリルも形状が新しくなり、リアバンパーにはディフューザーも追加されている。

それ以上に変わったのがインテリアだ。目についていたプラスティック類は姿を消し、実際に押せるハードボタンの数も少なくなっている。純EVクロスオーバーのIペイスとリンクするシンプルなデザインが与えられ、豪華さを高めている。

特筆すべきは、ダッシュボード中央に据えられた11.4インチのタッチモニター。ジャガー・ランドローバー(JLR)の最新OS、ピヴィ・プロがインストールされ、車載機能のほぼすべてを操作できるようになった。

本物のブリティッシュ・スポーツサルーン

システム自体も素晴らしい。ライバルメーカーのインフォテインメント・システムには、使い勝手を誤解しているようなものも見受けられるが、ジャガーXFは違う。既に2400kmほど運転したが、使いにくいと感じたことはまだない。

XFの英国価格は大幅に引き下げられた。だが、クルマとしての仕上がりや機能性は、それを裏切るほど高められている。

ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)
ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)

もっとも、大きなタッチモニターは、良し悪し両面がある。物理的なボタンがなくなることで、運転中の操作が難しくなる場合もある。それでも、ジャガーXFの販売を後押ししれくれる要素になると筆者は思う。

ジャガーXFを購入するということは、本物のブリティッシュ・スポーツサルーンを所有するということ。その訴求力は健在だろう。ボディカラーはブリティッシュ・レーシンググリーンだ。

大型サルーン・カテゴリーを、ドイツ製サルーンが席巻している理由はいくつもある。マイナーチェンジを受けたジャガーXFが、充分な爪痕を残すことはできるだろうか。

セカンドオピニオ

英国南岸のブライトンから中部のシェフィールドまで、370kmの距離をジャガーXFで運転する機会があった。極めて心地よく、洗練された走り心地に関心させられた。

新しいインフォテインメントシステムも優秀。燃費は14.2km/Lまで伸びた。ボディサイズを考えれば悪くない数字だ。意気揚々と目的地に到着できたことが、快適性を物語っている。 Kris Culmer(クリス・カルマー)

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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