ランボルギーニ・ムルシエラゴ 英国版中古車ガイド 当時は地球上で最もセクシー

公開 : 2022.01.27 08:25

350台限定の最強版がLP 670-4

モデル末期の2009年、ランボルギーニは最終限定仕様のLP 670-4 スーパーヴェローチェを投入。ハードコアな内容に、当時26万5937ポンドという驚きの金額で350台が販売された。

6.5LとV12エンジンの排気量は変わらないが、最高出力は670psまで増強。0-100km/h加速3.2秒に最高速度341km/hという、現代でも引けを取らないパフォーマンスを実現している。

ランボルギーニ・ムルシエラゴ(2001〜2010年/英国仕様)
ランボルギーニ・ムルシエラゴ(2001〜2010年/英国仕様)

カーボンファイバーを積極的に採用することで、車重は100kgもダイエット。サーキット走行を意欲的に楽しみたいドライバーのため、大きなリアウイングが追加されるエアロ・パッケージも用意されていた。

そのボディキットにより、アンダーステアは減少。姿勢制御も向上し、息を呑むほどの速さを体験しやすくしている。

10年間に製造されたムルシエラゴは、合計4099台。貴重なモデルとはいえるが、意外にも中古車市場にも少なくない数が流通している。

新車当時の英国価格は17万5000ポンドからだったが、10年ほどの時間を経て、近年では13万ポンド(約2015万円)ほど用意すれば、ガレージへ迎え入れることが可能。もちろん、走行距離が短く状態の良いクルマには、新車時以上の数字が付いている。

オーナーになるなら、多額のメンテナンス費用は想定しておきたい。新車の頃でも中古車になっても、ムルシエラゴに安く乗れないことは間違いないだろう。

オーナーの意見を聞いてみる

ウィル・ラングリッジ氏

「ムルシエラゴ LP 640のマニュアルを所有しています。フェラーリアウディR8と比較して、圧倒的に威圧的なルックスが最大の特徴といえますが、それでいて美しく感じるとも思います」

ランボルギーニ・ムルシエラゴ(2001〜2010年/英国仕様)
ランボルギーニ・ムルシエラゴ(2001〜2010年/英国仕様)

「V型12気筒エンジンは、間違いなし。今でもベスト・サウンドを聞かせてくれるエンジンの1つでしょう。コンバーチブルは好きではないのですが、サウンドをより直接耳で聞けるので、ロードスターを選びました。しかも途方もなく速いです」

「ソフトトップの脱着が難しく、天候が安定しない英国では厄介ですね。知り合いのムルシエラゴは、eギアに不具合が出たそうです。彼がわたしへマニュアルを進めた理由でもあります」

知っておくべきこと

ムルシエラゴの整備費用は、正規ディーラー以外でも安くない。高級車を専門に扱う英国のHR.オーウェン社の場合、1145ポンド(約18万円)から、定期点検のサービスを提供している。

エアフィルターと点火プラグ、トランスミッション・フルードの交換などが含まれる整備で、4300ポンド(約67万円)が必要になるという。ガレージによって価格設定は異なるものの、購入前に調べておいた方が安心ではある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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