ランボルギーニ・ムルシエラゴ 英国版中古車ガイド 当時は地球上で最もセクシー

公開 : 2022.01.27 08:25

V12が生み出す怒涛のスピード。今もインパクト大なムルシエラゴを中古車で楽しむ注意点を、英国編集部がご紹介します。

地球上で最もセクシーなクルマ

ランボルギーニムルシエラゴは、確かな成果を残したスーパーカーだ。1990年代を象徴するランボルギーニとして、11年も生産が続けられたディアブロの後継を不足なく努めた。フォルクスワーゲン・グループ傘下へ転身したブランドの、初モデルでもある。

当時は情熱的なイタリア車にドイツ水準の品質管理が適用できるのか、疑問視した人もいただろう。だが、実際は可能だったようだ。

ランボルギーニ・ムルシエラゴ(2001〜2010年/英国仕様)
ランボルギーニ・ムルシエラゴ(2001〜2010年/英国仕様)

ムルシエラゴの発表は2001年。ドイツ人の冷静さが加わっていても、ランボルギーニらしい華やかさは失っていない。V型12気筒エンジンをミドシップする四輪駆動で、ランボルギーニのフラッグシップ・モデルとして2010年まで君臨し続けた。

それまでにサンターガタから誕生したスーパーカーで、最高の1台といえる内容を備えていた。2005年にAUTOCARでも試乗しているが、「地球上で最もセクシーなクルマ」だと、そのルックスを称賛している。

全高1.2mという低くワイドでドラマチックな見た目のボディへ、縦に跳ね上がるシザーズドアが与えられている。アクティブ・リアウイングとエアインテークを採用し、空力特性を高めつつ、冷却性能も維持した。

エンジンはディアブロのものに改良を加えた、自然吸気の6.2L V型12気筒。最高出力580ps、最大トルク66.1kg-mを発揮し、サウンドでもドライバーを陶酔させてくれる。0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は329km/hが主張されていた。

2006年のフェイスリフトで6.5L 640psへ

当初のトランスミッションは6速マニュアルのみで、四輪駆動システムは通常では70%のパワーをリアタイヤへ伝達。パワーデリバリーと秀でたトラクション、引き締まった姿勢制御と現代的な技術などが高い評価を集めている。

インテリアはアウディ品質。従来のランボルギーニを大きく超える質感を備えていた。ドライビングポジションはより自然で、ダッシュボードの作りも良い。エアコンやレザーシートも標準装備されている。

ランボルギーニ・ムルシエラゴ(2001〜2010年/英国仕様)
ランボルギーニ・ムルシエラゴ(2001〜2010年/英国仕様)

ルーフをたためるロードスターは、2004年に登場。フロント部分に、手動で取り外せるソフトトップを格納できる。強化されたシャシーと専用のエンジンカバー、リアピラーが採用されていた。車重は29kg増加し、0-100km/hは3.8秒へ若干落ちている。

2006年にフェイスリフト。V型12気筒は6.5Lへ排気量を増やし、640psを獲得。0-100km/h加速は3.4秒へ短縮し、最高速度は339km/hへの上昇を果たした。

スタイリングの変更も比較的大きく、より造形が大胆なフロントまわりと、左右で非対称なサイドインテークが特徴といえる。それより一足早い2004年には、6速ロボタイズド・マニュアル、eギアも導入されている。

インテリアでは、新しいサウンドシステムが採用されたほか、シートが変更され頭上空間が拡大。最高出力を誇示するように、ムルシエラゴの後ろにLP 640というサードネームも追加された。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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