なぜ、フェラーリF50が人気を集めているのか? 新記録の5.5億円で落札

公開 : 2022.03.23 11:25  更新 : 2022.03.23 11:45

ついに5億円オーバーに

このように右肩上がりで記録を塗り替えてきたF50が、3月18日に行われたアールキュリアル・レトロモビル・オークションに姿を見せた。

モナコのコレクターが所有していた個体で、ワンオーナーで走行は僅か1318kmという新車と変わらない状態を保つ。オープンのルーフセクションもコンテナごと付属する。

バルケッタ仕様にするために付いてきたオープン状態のルーフセクションも、純正のコンテナに収められた状態で車両に付属する。
バルケッタ仕様にするために付いてきたオープン状態のルーフセクションも、純正のコンテナに収められた状態で車両に付属する。    Kevin Van Campenhout/Artcurial Motorcars

予想落札額は270~350万ユーロ(約3億5640万円~4億6200万円)だった。オークションは、新記録となる416.16万ユーロ(約5億4934万円)で落札。

これまでプレミアム・モデルの王座は288GTOで、2022年2月のオークションでの346万4375ユーロ(約4億5037万円)が最高記録だった。今回それを約1億円上回る額で落札され、F50が頂点の座に就いたのである。

ロシアのウクライナ侵攻や、原油の高騰、アメリカの利上げと経済面ではマイナス要因が強まるなか、予想以上となる5億円を超える超高額で落札されたことは驚きだ。

世界的な電動化への反動からか、フェラーリを象徴する自然吸気12気筒エンジンを積み、プレミアム・モデル最後のマニュアル車であるF50が注目され続けている。

かつて288GTOが2015年に3億円を超えた後に出品が増え2億半ばまで落ちてしまった。右肩上がりで来たF50だが、この後どのような値動きを見せるのか興味深い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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