大人のためのタイプR ホンダ・アコード・ユーロR(6代目) 英国版中古車ガイド

公開 : 2022.05.18 08:25

ホンダのタイプRは間違いなし。なかでも6代目アコードのRは出色だったと、英国編集部は振り返ります。

大人のための成熟したタイプR

少なくない腕利きドライバーが、ホンダのタイプRへ惹き込まれてきた。インテグラ・タイプRでもシビック・タイプRでも、若干の繊細さや質感の不足に目をつぶれば、素晴らしい操縦性を存分に楽しむことができる。それは、20年以上前も同様だった。

コンパクト・クーペやハッチバックのカテゴリーで、出色の存在といえる2台。だが、スポーツサルーンにも、素晴らしいタイプRが英国には存在した。それが1998年のアコード・タイプRだ。日本でも、同等のモデルがユーロRとして2000年から売られていた。

ホンダ・アコード・タイプR(ユーロR/1998〜2002年/英国仕様)
ホンダ・アコード・タイプR(ユーロR/1998〜2002年/英国仕様)

6代目アコードの4ドアボディに5名分のシートを備え、不満のない実用性と、一般道で堪能できる動力性能を両立。運転する魅力へ浸ることができつつ、落ち着いた雰囲気を備えた、大人のための成熟したタイプRといえた。

改めて振り返ってみると、その万能ぶりには感心する。今でもゾクゾクするような非の打ち所のないVTECエンジンに、車高が落とされ引き締められたダブルウイッシュボーン式サスペンションと、超クイックなステアリングが組み合わされている。

17インチ・アルミホイールの奥には、大きなベンチレーテッドディスクが鈍く光る。もちろんサルーンとして、家族4人での移動にも充分耐えうる車内空間も備わっていた。

逸品の2.2L DOHC 4気筒VTEC

ボンネットの内側に搭載されたエンジンは、お宝といえる逸品。職人が丁寧に組み上げた自然吸気の2.2L DOHC 4気筒エンジンに、VTEC(可変バルブ・タイミング&リフト機構)を採用し、英国仕様では最高出力212psを発揮した。

ハードエッジなサウンドを響かせ、7200rpmで最高出力を発揮する高回転型。8000rpmまで、気持ちよく吹け上がった。いかにも低摩擦なフィーリングは、当時のホンダの技術力を象徴するものだったといえる。

ホンダ・アコード・タイプR(ユーロR/1998〜2002年/英国仕様)
ホンダ・アコード・タイプR(ユーロR/1998〜2002年/英国仕様)

車重は、防音材や余分な内装材が省かれ、ノーマルの6代目アコードから57kgも軽量化。0-97km/h加速7.2秒と、最高速度228km/hという俊足を獲得していた。近年では驚く数字ではないものの、当時としては軽い衝撃を与えるのに充分だった。

VTECエンジンのパワーは、驚くほど滑らかに変速できる5速MTと、トルセン式リミテッドスリップ・デフを介して、フロントタイヤへ伝達。FFでありながら、手首の動きに同調したように直感的なステアリングも特長の1つだった。

乗り心地は硬めながら、しなやかさも残され、不快に感じるほどではない。同時期のシビック・タイプRとの性格の違いを表現していた。

英国仕様では、2001年にマイナーチェンジ。フロントマスクやテールパイプが変更され、5速MTの内部構造が強化されている。惜しくも2003年のモデルチェンジをもって、英国市場からはアコードのタイプRは姿を消してしまった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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