世界を変えたSUV 30選 後編 昨今のトレンドを作り出した名車たち

公開 : 2022.05.14 06:06

SUVの人気はとどまるところを知らない。新しいジャンルを切り開き、世界を変えた30台のクルマを振り返る。

ランドローバーフリーランダー

ランドローバーはSUVのパイオニアとして、1997年にフリーランダーを発売し、コンパクトSUV市場に重要な一石を投じた。

後にランドローバーのデザイン責任者となるジェリー・マクガバンが担当したフリーランダーは、大きな反響を呼んだ。2世代にわたって成功を収めた後、フリーランダーの名は廃止され、2014年にディスカバリー・スポーツに姿を変えた。

ランドローバー・フリーランダー
ランドローバー・フリーランダー

キャデラックエスカレード

無数のラップMVの主役となったキャデラック・エスカレードは、「SUV=ステータスのシンボル」という公式を作り上げたモデルである。1998年に発売され、モデルチェンジのたびに大型化し、派手になっていった。

3代目(写真)ではハイブリッド車も登場したが、4代目のロングホイールベース(ESV)は全長5.6m近くあり、依然として大量消費の象徴であることに変わりはない。2020年には、大型の曲面有機ELディスプレイを搭載した5代目が登場している。

キャデラック・エスカレード
キャデラック・エスカレード

レクサスRX

レクサスは早くから高級SUVに参入しており、1998年にRX300を発売した。日本市場ではトヨタハリアーとして知られるモデルだが、海外では初代と2代目がレクサスRXとして販売されている。

2005年にはハイブリッドのRX400h(ハリアー・ハイブリッド)が登場。「世界初の量産型プレミアムハイブリッド車」と銘打ったこのモデルは、力強い加速とEV走行モードを備え、時代を先取りする存在となった。

レクサスRX
レクサスRX

現行モデルは2015年に発売され、まもなく新型が登場する見込みである。

BMW X5

高級SUVの定義を変えたのは、BMW X5だ。メルセデス・ベンツMクラスが先行していたが、1999年に発売された初代X5は、走りの魅力が別次元だった。大型SUVでありながら、スポーツサルーンのような走りを実現したのだ。

X5は現在でもBMWラインナップにおいて重要な存在であり、これまでに約220万台が販売されている。X5が製造されている米スパルタンバーグ工場は、年間50万台を製造する世界最大のBMW工場となっている。

BMW X5
BMW X5

ポルシェカイエン

ポルシェのスポーツカー愛好家にとって、決して作られてはならないクルマであると同時に、会社を存亡の危機から救ったクルマでもあるというジレンマを感じさせるカイエン。現在までに約80万台が販売されている。

2003年の発売と同時に大型スポーツSUVのベンチマークとなったカイエンは、3代目の現行モデルも物理法則を無視した驚くべき性能を発揮し続けている。

ポルシェ・カイエン
ポルシェ・カイエン

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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