ボルボV60リチャージ・プラグインハイブリッドT6 AWDインスクリプション試乗 BEVに近づいたPHEV

公開 : 2022.05.31 05:45  更新 : 2022.05.31 10:22

BEV前の肩慣らしの1台?

今回は箱根から都内までの100kmほどの距離を試乗した。

スタートボタンを押してクルマ(エンジンではない!)を始動させ、走りはじめる。

ボルボV60リチャージ・プラグインハイブリッドT6 AWDインスクリプション
ボルボV60リチャージ・プラグインハイブリッドT6 AWDインスクリプション    宮澤佳久

ドライブモードは「ハイブリッド」だが、スロットルを強く踏まない限りエンジンは始動しない。

芦ノ湖に抜ける山道もひたひたとEV走行のまま静かに上っていく。

今回はV60の前にV90のT8にも試乗している。

遮音がしっかり効いたV90に比べた場合、V60はわずかなロードノイズと振動が感じられる点は以前とそれほど変わらない。

もちろんボディが引き締まった感覚と、キビキビとしたハンドリングというV60のキャラクターも健在だ。

芦ノ湖から大観山への山道でスロットルを強く踏み込むと、思ったより静かにガソリンエンジンが介入しはじめた。

車重が2tをこえているので350psというより、どっしりとしたプレミアム感と、AWDのスタビリティの高さの方が印象的に感じられた。

そして何よりハイブリッドシステムのシームレスな捌きが以前のT6モデルより格段に賢くなっていることも確認できた。

これから7年ほどの時間をかけてBEVの時代に向けた肩慣らしをする。

EV性能が強化されたV60リチャージT6は、そんな使い方に最適な1台といえる。

ボルボV60リチャージ・プラグインハイブリッドT6 AWDインスクリプションのスペック

価格:824万円
全長:4760mm
全幅:1850mm
全高:1435mm
ホイールベース:2870mm
車両重量:2345kg
パワートレイン:直列4気筒1968cc+モーター
最高出力:253ps/5500rpm
最大トルク:35.7kg-m/2500-5000rpm
最高出力(モーター):52kW(71ps)/3000-4000rpm(前)+107kW(145ps)/3280-15900rpm(後)
最大トルク(モーター):16.8kg-m/0-3000rpm(前)+31.5kg-m/0-3280rpm(後)
充電電力使用時走行距離:91km
ギアボックス:電子制御前進8速オートマティック

ボルボV60リチャージ・プラグインハイブリッドT6 AWDインスクリプション
ボルボV60リチャージ・プラグインハイブリッドT6 AWDインスクリプション    宮澤佳久

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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