【新章突入第2回!連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#28 カーマニアの選民思想!

公開 : 2026.02.20 12:05

自動車はロマンだ! モータージャーナリストであり大乗フェラーリ教開祖の顔を持つ清水草一が『最後の自動車ロマン』をテーマに執筆する、隔週金曜日掲載の連載です。第28回は『カーマニアの選民思想!』を語ります。

サンタナに乗せてもらいたい!

イラストレーター&文筆家の遠藤イヅル氏が、日産フォルクスワーゲン)サンタナXi5アウトバーンDOHCを所有していることを知り、当連載担当ヒライ君に「紹介して!」とお願いした真意は、言うまでもなく「サンタナに乗せてもらいたい!」ということだった。

私がサンタナに乗っていたのは、1号機(SOHC)が1984年から1987年まで。2号機(DOHC)は1989年までの計約5年間だ。それ以来、一度もサンタナに乗ったことはない。

うおおおおー! サンタナ! サンタナ!(筆者心の叫び)
うおおおおー! サンタナ! サンタナ!(筆者心の叫び)    山本佳吾

サンタナ卒業後の私は、Z32型フェアレディZを経て、超速でフェラーリに昇天したが、地味にいいクルマ、サンタナへの慕情が消えたことはなかった。

日本におけるサンタナは典型的な不人気車で、販売終了後、急速に姿を消したが、中国ではサンタナが元祖国民車(フォルクスワーゲン上海のノックダウン生産)。割と最近までウヨウヨ走っていたので、中国旅行のたびに、「うおおおおー! サンタナ! サンタナ!」と、目を血走らせていた。

担当ヒライ「わかりました。遠藤さんにサンタナの試乗、お願いしてみます!」

オレ「交換で大貴族号に乗ってもらおう!」

担当ヒライ「それ、いいですね!!」

別に乗りたくないかもしれないが、不人気車同士、エールを交換するのもロマンだ。

ぜんぜん年取ってないやんけ!

当日。私は大貴族号(筆者の所有する先代マセラティクアトロポルテ)で、遠藤氏のご実家近くの広場にやってきた。

しばらくして、一緒に持ってきてもらった真っ赤な日産サニーカリフォルニアと、渋いガンメタのサンタナが到着した。うおおおおおお、サンタナ、カッコいい……。ぜんぜん年取ってないやんけ!

遠藤イヅル氏(左)と筆者の愛車、計3台がズラリ!
遠藤イヅル氏(左)と筆者の愛車、計3台がズラリ!    山本佳吾

私は42年前から、サンタナはめちゃくちゃカッコいいと思っていた。

サンタナは、全長の割にホイールベースが短く、トレッド幅も狭い。タイヤは13インチから14インチと小径。つまり、ボディに対してタイヤが内股っぽい。

自動車デザインは、タイヤとその収まり感で決まるとも言われる。つまりサンタナは、どう考えても大きなハンデを背負っている。なのに、なぜかたまらなくカッコいい。

私「サンタナ、カッコいいなぁ……」

遠藤氏「カッコいいですよね」

オレ「なぜこんなにカッコいいんでしょう?」

遠藤氏「なぜでしょう(笑)。でも、同世代のアウディよりもカッコいいですよね」

そうなのだ。同世代のアウディ80(2代目)と比べても、明らかにサンタナのほうがカッコいい(私見です)。

当時アウディ80は、6ライトのクリーンなデザインがとっても知的でお上品! と言われていたが、サンタナのほうがデザインに深みやコクがある。6ライトのクリーンなデザインは同じだが、微妙に丸みがあり、上品なのに、抱き付きたくなるような親しみやすさを備えている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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