ポルシェ・タイカンでグランドツアー 航続距離505km 24時間で何か国回れる? 後編

公開 : 2022.11.05 09:46

スロベニア→クロアチア→ハンガリー

予定ではクロアチアを通過し、ボスニア・ヘルツェゴビナからセルビアへ向かう予定だったが、時間に余裕が生まれたため、1度ハンガリーへ立ち寄ることに。計画より多い国境をまたぐことができる。

たとえ時間切れでセルビアにたどり着けなくても、予定通り13か国は回れるだろう。クロアチアには交通量の少ない高速道路が敷設されており、ハンガリーとの国境には1時間半で到着。われわれもまだ元気だ。

ポルシェ・タイカンで挑んだグランドツアーの様子
ポルシェタイカンで挑んだグランドツアーの様子

厳しい面持ちの国境警備隊が、ブレグジットによりEUではなくなった英国のパスポートをちらりと確認し、検査を待つよう指示をする。ところが、スタンプを押してもらうまでに45分もかかってしまった。

ゲートを抜けると、クロアチアへ戻ろうとするクルマの列が目に飛び込む。想定外に時間が奪われることは明らかだったため、道を間違えたことを理由に引き返すことに。幸い、国境警備隊は同情してくれ、列の先頭からクロアチアへ再び入国することができた。

ハンガリー→クロアチア→ボスニア・ヘルツェゴビナ→セルビア

ハンガリーへの入国はほんの数分。クロアチア・ザグレブへ急ぐ。時間が押してしまったため、アイオニティ社の急速充電器には23分だけつないだ。駆動用バッテリーは80%まで回復した。

これから先は、ボスニア・ヘルツェゴビナとセルビアを回り、再びクロアチアの急速充電器に戻る予定。短い休憩も済ませ、13時10分にザグレブを出発。少し気持ちが高ぶっているのを自覚しつつ、ボスニア・ヘルツェゴビナまでは90分ほどで到着した。

ポルシェ・タイカン・パフォーマンスバッテリー・プラス(英国仕様)
ポルシェ・タイカン・パフォーマンスバッテリー・プラス(英国仕様)

サヴァ川をまたぐ国境は、滞ることなく通過。16時までの残り時間はわずか。入国してすぐにUターン。ボスニア・ヘルツェゴビナの滞在も数分で終え、三度クロアチアへ。

もし再入国で引っかかっていたら、今回のグランドツアーの目標は達成できなかっただろう。セルビアの国境までは、ナビによると75分。現在は14時半。駆動用バッテリーを温存するためエアコンをオフにし、先を急ぐことにする。

オランダを出発してから23時間53分が経過した15時53分、無事にセルビアへ入国。ポルシェ・タイカンは、当初の予定より長い1930kmを7回の充電で走破した。平均速度は98km/hとなった。

ルクセンブルクでの渋滞やハンガリー国境での検査など、予定外に時間を消費する場面もあったが、24時間で14か国を訪れることに成功した。駆動用バッテリーの残量はセルビアへの入国時点で、残り20kmぶんしかなかったのだが。

さて、これから家路が待っている。

ポルシェ・タイカン・パフォーマンスバッテリー・プラス(英国仕様)のスペック

英国価格:7万9549ポンド(約1312万円)
全長:4963mm
全幅:1966mm
全高:1395mm
最高速度:230km/h
0-100km/h加速:5.4秒
航続距離:505km
電費:4.8km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2130kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:83.7kWh(実容量)
最高出力:475ps(オーバーブースト時)
最大トルク:36.2kg-m(オーバーブースト時)
ギアボックス:2速オートマティック

ポルシェ・タイカンで挑んだグランドツアーの走行ルート
ポルシェ・タイカンで挑んだグランドツアーの走行ルート

記事に関わった人々

  • 執筆

    ニール・ウィン

    Neil Winn

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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