ランボルギーニ・ウラカン、最終章へカウントダウン 「テクニカ」が示した先進性・普遍性とは

公開 : 2022.11.28 06:45

ランボルギーニが、エンジンだけを積む新型車を発表するのは今年まで。「ウラカン・テクニカ」とともに、ウラカン・シリーズの終着点を探りましょう。

「世界最高峰」と「技術革新」への決意

ランボルギーニが、約10年間という期間において、過去最高となる生産台数を記録したガヤルドの後継車として、ウラカンを発表したのは2014年のことだった。

先日そのウラカンの歴史に幕が引かれるという話を耳にした時、“なぜそんなに早く”というのが自分自身の率直な感想だったのだが、考えてみればウラカンもまたガヤルドと同様の生産期間の中で、明らかにそれを超える生産台数を実現した、ランボルギーニにとっては成功作の1つとなっていたのだ。

ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ
ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ    神村聖

この間、世界の技術的な潮流はCO2排出量ゼロを目指すための電動化へと変わり、ランボルギーニもまた、2021年5月には「ディレッツィオーネ・コル・タウリ(コル・タウリに向かって)」なるタイトルのもと、将来誕生するランボギーニ車、そしてサンタアガタ・ボロネーゼの本社施設の脱炭素化を目差す中期計画を発表している。

コル・タウリは牡牛座で最も明るい恒星。

電動化を進めても、ランボルギーニは世界最高のパフォーマンスとドライビングダイナミクスを持ち続けるという決意、そしてそのための技術革新を続けていくことが主張されている。

ランボルギーニから、初のフル電動化モデル(BEV)が誕生するのは2020年代の後半になると予想されているが、それ以前にはハイブリッドモデルが続々と市場に送り出されることになるだろう。

テクニカ、ステラート その先は?

一説にはウルスのマイナーチェンジでPHEVのシステムが導入されるのではという噂もあったが、残念ながらそれは実現しなかった。

そうなると考えられるのはウラカンの後継車であり、純粋に自然吸気エンジンのみを動力源とするスポーツカーは、ウラカンの生産中止によって幕を閉じることになるわけだ。

シートのトリム、メーターのグラフィックはテクニカ専用の仕立てとなる。
シートのトリム、メーターのグラフィックはテクニカ専用の仕立てとなる。    神村聖

ここではランボルギーニがウラカンのファイナルモデル的な意味合いを込めて(実際には車高を高めたオフロードタイプのウラカン・ステラートが11月末に登場する予定となっているが)発表した「ウラカン・テクニカ」の詳細を解説しながら、ほぼ10年にわたるウラカンの進化、そしてランボルギーニの魅力とは何かを解説していくことにしようと思う。

ウラカン・テクニカのデビューに先立って、ランボルギーニは特にサーキット走行にフォーカスした「STO」を発表している。

そのエクステリアのフィニッシュ等を見れば明らかなように、テクニカとSTOはその狙うべきベクトルが互いにまったく異なるモデルといえる。

同じ640psという最高出力、57.6kg-mの最大トルクを持ちながらも、そのシャシーの味つけさえも確実に異なる。

テクニカはオンロードからサーキットまで、オールマイティな使い方ができるモデルに仕上げられているのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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