5年越しの納車開始 テスラ初の大型トラック「セミ」 フル積載で航続距離800km

公開 : 2022.12.03 18:25

テスラは2017年に公開した電動大型トラック「セミ」の納車を開始しました。荷物を満載した状態でも、航続距離800kmを実現するとのこと。年内に100台程度が製造される可能性があります。

待望の電動大型トラック ついに納車開始

テスラは、同社初の電動大型トラック「セミ(Semi)」の納車を開始した。米ネバダ州のギガファクトリーで行われたイベントでは、その最初の1台がペプシコ社に引き渡された。

2017年にプロトタイプとして初公開されたセミは、当初2019年に納車を開始する予定だった。完成したセミは、容量1000kWhの1000Vバッテリーを搭載し、フル積載時(3万6741kg)でも約800kmの航続距離を実現すると謳われている。また、小型の600kWhバッテリーも用意され、航続距離は約480kmとされる。

ネバダ州で開かれたテスラ・セミの納車開始イベント
ネバダ州で開かれたテスラ・セミの納車開始イベント    テスラ

テスラは最近行われたテスト走行の動画を公開したが、走行中の消費電力はわずか2kWh/マイル(1.25kWh/km)であったという。

ライバルとなるダフのCFエレクトリックは、315kWhのバッテリーを搭載し、220kmの航続距離を実現している(トラクター仕様の場合)。総重量(トレーラーを併せた最大重量)は3万7000kgだ。

テスラによると、セミはネバダ州のギガファクトリーに設置された1MWの急速充電器「メガチャージャー」を使用すると、わずか30分で70%の充電が可能だという。イーロン・マスクCEOは、この充電技術が近日発売予定のサイバートラックにも導入されることを明らかにした。

セミは、リア2軸を駆動するトライモーター・パワートレインにより、0-97km/h加速を荷物を積んだ状態で20秒、空の状態で5.0秒で走破するという。

パワートレインに関する詳細はイベントでは明らかにされなかったが、マスクCEOは「今、道路を走っているディーゼルトラックの3倍のパワー」を持っていると述べた。

「テスラでは、遅いクルマは作りません。(セミは)ディーゼルトラックと比べて、とんでもないパワーを持っています。何も牽引していないときは、チーターのように動くゾウに見えますよ」

「加速も速いし、減速も速い。セミトラックを運転する感覚は、段違いに向上しています」

テスラはまた、モデルSプレイドのような4基のモーターを使用する高性能モデルの投入も示唆している。

1号車はペプシコへ 価格は?

インテリアでは、中央の運転席の両サイドに2枚のインフォテインメント・ディスプレイを配置。左右それぞれブラインドスポットカメラの映像を表示し、左側には車速や充電量などの車両データ、右側にはナビゲーションも表示される。

価格は明かされていないが、2019年の発売を予定していた当初は15万ドル(約2000万円)から18万ドル(約2400万円)になると言われていた。しかし、車両生産コストの上昇やサプライチェーンの問題などを考えると、価格は大幅に上昇している可能性が高い。

テスラ・セミ
テスラ・セミ    テスラ

2017年以降、日の目を見ずにいたセミが突然復活したのは、インフレ抑制法への対応だとの憶測が広がっている。8月にジョー・バイデン大統領が署名したこの法律では、重量1万4000ポンド(6350kg)を超える電動商用車に対して最大4万ドル(約540万円)の税額控除を与えることになっている。

納車開始イベントで1台目が引き渡されたペプシコ以外に、UPSやウォルマートのカナダ部門など、多くの大企業がセミを発注しているという。

清涼飲料水大手のペプシコは、カリフォルニア州大気資源局から1540万ドル(約20億円)の支援を受け、セミ15台を含む低排出ガス商用車を発注したとのこと。ブルームバーグが報じている。

マスクCEOは第3四半期の決算説明会で、2024年までに生産規模を年間5万台まで拡大する計画であると述べた。同社のロビン・デンホルム会長は最近、今年末までに100台を製造する可能性があると述べている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。愛知県在住。幼い頃から自動車/戦車/飛行機/宇宙船など乗り物全般が大好物。いつかすべての乗り物を手に入れることを夢見ている。最近はバイクの魅力に気づき、原付と中型を衝動買いしてしまった。大学卒業後、不動産営業と記事制作ディレクターを経て2020年に独立し、フリーランスとして活動開始。現在に至る。

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