胸すく速さと身のこなし テスラ・モデルY パフォーマンス 「インセイン」で0-100km/h 3.3秒

公開 : 2025.11.19 18:05

2モーターで466psを発揮するパフォーマンスが追加された、モデルY 扱いやすいインフォテインメント 0-100km/h加速3.3秒 積極的に操縦できるスポーツ・モード UK編集部が試乗

2モーターで466psを得たパフォーマンス

2025年初頭にアップデートを受けたテスラモデルYに、ツインモーターで466psを発揮する「パフォーマンス」が追加された。モデル3 パフォーマンスも積む「パフォーマンス4DU」モーターは、クロスオーバーとして調整を受けている。

ヘッドライトは真一文字。パフォーマンスでは、カーボン製テールスポイラーにフロントスカート、リアディフューザーなどを装備し、揚力を64%抑え、空気抵抗は10%減らされた。通常以上に速いことを誇示すべく、放射状のエンブレムがリアに添えられる。

テスラ・モデルY パフォーマンス(英国仕様)
テスラ・モデルY パフォーマンス(英国仕様)

ボディサイズは全長4790mm、全幅1980mm、全高1610mmで、幅が広い。タイヤは21インチのピレリPゼロで、前が255/35、後ろが275/35という、本気のサイズを履く。アルミホイールは、力強いカーブの10スポークを得た。

抜群に扱いやすいインフォテインメント

インテリアは、基本的に通常のモデルYと共通。2025年のアップデートで、後席側にもタッチモニターが追加されている。スポーティなシートとシルバーに輝くペダル、カーボン製化粧トリムやパドルなどが、パフォーマンス仕様のアイテムとなる。

車内は広々としており、ダッシュボードはシンプルな造形で、小物入れは充実。実際に押せるハードスイッチは、ステアリングホイールのリムを除いて殆どないが、パワーウインドウやハザードランプなどには残されている。ウインカーレバーもある。

テスラ・モデルY パフォーマンス(英国仕様)
テスラ・モデルY パフォーマンス(英国仕様)

インフォテインメント・システムは、現状の量産車でも特に扱いやすい。アップル・カープレイとアンドロイド・オートはオプションだが、スマホの充電パッドは2台分ある。

車載機能の殆どは、16インチのタッチモニター上で。ステアリングホイールの重み付けや加速の鋭さ、回生ブレーキの強さなども、画面上で調整できる。アダプティブダンパーを得たことで、乗り心地も選べるようになった。

インセイン・モードの息が詰まる加速力

モデルY パフォーマンスの車重は2033kg。79kWhの駆動用バッテリーを積む電動SUVとしては、軽い方といえる。466psを繰り出せば、0-100km/h加速を3.3秒でこなし、249km/hの最高速度へ届く。

パワートレインには3モードが用意され、日常的に走りやすいのはスタンダード・モード。タッチモニター上のメニューをタップし、インセイン(狂気)・モードを選べば、息が詰まるほどの加速力を体感できる。航続距離が優先されるモードもある。

テスラ・モデルY パフォーマンス(英国仕様)
テスラ・モデルY パフォーマンス(英国仕様)

アクセルペダルの反応は概ね線形的だが、踏み始めの加速は強すぎる印象。バイワイヤで制御されるブレーキは、制動力を調整しやすい。回生ブレーキの強さは2段階で、弱い方が扱いやすく感じられた。

ステアリングの反応は正確で、重み付けもちょうどいい。フィーリングは希薄だが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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