玉座のような独立リアシート ベントレー・ベンテイガ EWBへ試乗 SUV新基準の快適性

公開 : 2022.12.23 08:25

印象的な四輪操舵 ベントレー至高の選択肢

ベンテイガ EWBで強い印象を残すのが、四輪操舵システム。駐車時などの低速域では、最小回転直径を11.8mまで縮小。高い速度域ではフロントタイヤと同方向にリアタイヤが向きを変え、安定性を高める。車線変更も非常に滑らか完了できる。

高速道路では、路上の王様といった動じない風格が漂う。ロンドンの狭い路地でも、想像以上に扱いやすい。唯一、1998mmというワイドなボディを除いて。

ベントレー・ベンテイガ EWB アズール(英国仕様)
ベントレー・ベンテイガ EWB アズール(英国仕様)

ただし試乗車の場合は、直進時が若干安定しない様子だった。ライバルモデルと比べると、ステアリングホイールの操作に集中力が求められた。

筆者が疑問を感じたのが、優しくアクセルペダルを倒すと躊躇するようにワンテンポおいて発進すること。これは、従来のV8エンジンを搭載したベンテイガでも共通していた。

そこから右足へ僅かに力を込めると、意図した以上の鋭さで加速が始まる。バッテリーEVの極めて正確な制御を味わえる現在では、より滑らかな動きを期待したいところだ。といっても、全体の仕上がりからすれば些細なことではある。

ベンテイガの能力は、EWBで間違いなく高められた。リアシートの空間や安定性、操縦性を向上させただけでなく、スタイリングの視覚的なバランスも整っている。

もはや、通常のホイールベースを選ぶ理由が思い浮かばないほど。英国価格は約1万6000ポンド(約265万円)上乗せになるが、このクラスのオーナーなら気に掛けない人も多いだろう。現在のベントレーでは、至高の選択肢といえそうだ。

ベントレー・ベンテイガ EWB アズール(英国仕様)のスペック

英国価格:21万1300ポンド(約3507万円)
全長:5305mm
全幅:1998mm
全高:1739mm
最高速度:289km/h
0-100km/h加速:4.5秒
燃費:7.7km/L
CO2排出量:−
車両重量:2514kg
パワートレイン:V型8気筒3996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:549ps/6000rpm
最大トルク:78.3kg-m/2000-4000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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