なぜ今でも、トヨタ・ハリアーは売れ続けるの? 誕生25周年 切り開いた高級SUV市場とは

公開 : 2022.12.31 11:15

都会派SUVの代名詞「ハリアー」が25周年に。昨年度の登録車販売では、RAV4を退けトップ10入り。なぜ売れ続けるのか分析します。

FFセダン・ベースで「高級」路線

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

2022年12月、トヨタハリアーは初代が誕生してから25周年を迎えた。

ハリアーの系譜に関しては後述するが、いまやトヨタのミドルクラスSUVというだけでなく、「乗用車ベースのラグジュアリー・クロスオーバーSUV」というジャンルのパイオニア的モデルとして君臨し続けている。

初代ハリアー。顔だけライオンの二枚目が登場するCM、鮮烈に覚えている方も多いはず。
初代ハリアー。顔だけライオンの二枚目が登場するCM、鮮烈に覚えている方も多いはず。    トヨタ

それまでのクロスカントリー4WDのような本格的なアウトドア用モデルではなく、乗用車(とくにFFセダン)のプラットフォームをベースにクロスオーバーSUVを作る、という手法は日本では1994年に発表されたトヨタRAV4が先駆的モデルだろう。それにホンダCR-Vなどが続いた。

だが、ハリアーがそうしたクロスオーバーSUVと違っていたのは、「都会が似合うクロスオーバーSUV」として、アウトドアはもちろん都会の街中やホテルのエントランスなどでも映えるオシャレなスタイリングと高級感、そしてV6エンジンによる余裕の走りなどをセールスポイントにしたことだった。

ご存じのようにハリアーは日本仕様の名称で、海外では当時レクサスRXとして販売され、レクサスならではのプレミアム・ブランドらしい高級クロスオーバーSUVとして人気を博した。

ハリアーとほぼ同時期にメルセデス・ベンツMクラスを、やや遅れてBMWはX5を、ポルシェカイエンを登場させるなど、プレミアム・ブランドも続々とクロスオーバーSUVを世に送り出す。

つまり、ハリアーの歴史は、まさに高級クロスオーバーSUVの歴史そのものと言えるのかもしれない。

頭がライオンの紳士 覚えてる?

1997年、初代のハリアーは6代目カムリのプラットフォームをベースに生まれた。

エンジンは3L V6と2.2L直4が搭載され、トランスミッションは4速AT。駆動方式はFFと4WDが選べた。

2代目ハリアー。クーペSUV的な姿は現在のトレンドを先取りしていたか。
2代目ハリアー。クーペSUV的な姿は現在のトレンドを先取りしていたか。    トヨタ

都会的なアカ抜けたスタイリングに「ワイルド but フォーマル」というキャッチコピー、そして“ライオンの頭を持つ紳士”がキャラクターというユニークなCMも話題を呼び、一躍人気モデルとなった。

2003年にフルモデルチェンジされた2代目は、初代のイメージを進化させながらリアウインドウを寝かせた、いまでいう「クーペSUV」的なフォルムを採用。

SUVというと実用的な、いわゆる箱型的なスタイルになりがちだが、ハリアーはSUVであってもスタイリッシュなモデルを目指したのだった。パワートレインにはV6とモーターを組み合わせた、ハイブリッドも追加された。

なお、ハリアーは初代と2代目はレクサスブランドの「RX」として輸出され、3代目からは日本仕様もレクサスRXとなって、ハリアーは一時消滅する。

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    AUTOCAR JAPAN

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    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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