クルマのかけっこ 2022年新型車「加速力」ナンバー1は? トルクウエイトレシオで比べてみた

公開 : 2023.01.04 05:45

2022年に登場した新型モデルの「加速力」を比較。トルクウエイトレシオで比べてみると意外な?モデルが健闘していたのでした。

加速性能はトルクウエイトレシオで

クルマの内容を判断するときに、よく耳にするのが「よく走る」という言葉だ。

実際にクルマは走行する機械であるわけだから、走行性能は最も重要なポイントとなる。

2022年は日産からフェアレディZが登場。日産ZはスーパーGT GT500クラス(2022年シーズン)でも優勝した。
2022年は日産からフェアレディZが登場。日産ZはスーパーGT GT500クラス(2022年シーズン)でも優勝した。

そうした走行性能でわかりやすく、しかも大切なのが加速力だ。加速力が優れていれば、前走車を追い抜くのも高速道路などの合流も楽になる。信号からの再発進にもストレスがない。

そして、加速力の大小は、クルマのスペック(主要諸元)を見ると大まかなものを予想することができる。

それがトルクと車両重量だ。

トルクはエンジンが車軸を回す力。つまりタイヤを回す=クルマを加速させる力を意味する。

そのため、トルクが大きくそして車両重量が軽いほど加速力に優れる。

それを見る数値が車両重量を最大トルクで割った数値、トルクウエイトレシオだ。この数字が小さいほど、加速力が優れることになる。

もちろんトランスミッションや駆動方式によって厳密には加速力に変化は生じる。しかし、加速性能を判断する最大のヒントはトルクウエイトレシオといっていいだろう。

そこで、2022年に登場した新型モデルで最も加速力のよいクルマは何になるのであろうか。

今年は、トヨタから「ノア/ヴォクシー」「bZ4X」「シエンタ」「ハリアーPHEV」「クラウンクロスオーバー」といった新型車が登場している。

日産からは、「フェアレディZ」「サクラ」「エクストレイル」「セレナ」、三菱は「eKクロスEV」。

ホンダから「ステップワゴン」「シビックe:HEV」「シビックタイプR」、マツダは「CX-60」、スバルは「ソルテラ」「クロストレック」、ダイハツは「ムーヴ・キャンバス」といった新型モデルが登場している。

これらのトルクウエイトレシオは、どのような数字となるのであろうか。

スポーツモデル加速力ナンバー1は?

まずはスポーツモデルから比較してみよう。

スポーツモデルとなるのは日産の「フェアレディZ」とホンダの「シビック・タイプR」だ。また、あわせて「シビックe:HEV」も比較してみよう。

ホンダ・シビック・タイプR
ホンダ・シビック・タイプR

「フェアレディZ」は最高出力405ps、最大トルク475Nmの3L V6ターボ・エンジンを搭載する。車両重量は、最軽量グレードのスタンダードで1570kgだ。トルクウエイトレシオは3.3kg/Nmとなる。

そして「シビック・タイプR」は2Lのターボで、最高出力330ps、最大トルク420Nm。車両重量は1430kg。トルクウエイトレシオは3.4kg/Nm。

ちなみに「シビックe:HEV」の走行用モーターは、最高出力184ps、最大トルク315Nm。車両重量は1460kg。トルクウエイトレシオは4.63kg/Nmとなる。

通常のセダンと考えれば、これでも相当に優れた数値になるが、やはりスポーツ専用モデルと比べると、1段落ちるのは仕方ないだろう。

「フェアレディZ」と「シビック・タイプR」の2車のスペックを比較すると、若干ではあるがトルクウエイトレシオは「フェアレディZ」が勝っていたのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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